「闇バイトはあかん!」6代目山口組の執行部会議で持ち上がった危機感
6代目山口組の定例執行部会議
こうした動きは他にも見られる。11月15日、6代目山口組の定例執行部会議が3代目弘道会の傘下組織だった9代目玉屋一家(本部:愛知県津島市)の事務所で開かれた。ここでも闇バイトなどに一切関わらないようにとの厳重な通達が行われたと見られる。 6代目山口組はこれまでにも同様の通達をしてきたが、ひとえに共謀共同正犯が成立して組織のトップまでさかのぼって訴追されかねないことを回避したいとの思いがあるようだ。会議後には直系の組長が通達を持って帰り、枝の組織まで申し伝えを浸透させることになるとのことだ。 しかし、こういった通達をすれば話が済むほど単純でもないらしい。 「6代目山口組の傘下組織に所属していないにもかかわらず、その名前をかたって犯罪行為に加担する者がそれなりにいると聞いています」 と、元山口組系義竜会会長の竹垣悟氏。所属していない者が匿名・流動型犯罪グループの一角を担っていたとしても「知らぬ存ぜぬ」を貫き通せばよさそうなものだが。
名前をかたって犯罪行為に加担する者
「今の時代、それは難しいでしょう。例えば薬物の販売行為に関わることについて6代目山口組は絶対禁止を標榜しています。しかし、傘下組織の実態としては、知らないふりをしながらシノギとして許容しているところもある。当然、組織として薬物に関与する者を構成員とするわけにはいかないので正式にはそうしないものの、当人は組織名をかたって薬物を販売して上納金を組織に収めるというのが常態化しています」(同) この構図が闇バイトにおいても成立しうる、というのが竹垣氏の見立てである。つまり、表向き所属していないことになっている準構成員のような立場の者がシノギの延長線上で闇バイトに手を染める可能性までは否定できないというわけだ。そのとばっちりが組織に来てはたまったものではない。6代目山口組のみならず暴力団トップは軒並み共謀共同正犯とされるリスクにナーバスになっているようだ。 デイリー新潮編集部
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