宿泊代高騰で「低価格」の逆張り 米マリオットが集中投下するアジア初のビジネスホテル
米ホテル大手、マリオット・インターナショナルは18日、アジア初展開のビジネスホテル「フォーポイント フレックス by シェラトン」を大阪と京都で2軒同時開業した。訪日客需要の急増などでホテル代が高騰する中、高級ホテルの接客ノウハウを生かしながら1泊1万円台からの手頃な価格帯で勝負し、満足度向上を狙う。 【写真】ブランド変更して再開業した「フォーポイント フレックス by シェラトン 大阪梅田」 同時開業した2軒は大阪・梅田と、二条城などに近い京都市中京区と、それぞれ交通アクセスがよいエリアに立地する。大阪・梅田の施設では、1泊1室1万2700円からに抑えた。 大阪市内で記者会見したマリオット・インターナショナルのアンソニー・カプアーノ社長兼CEO(最高経営責任者)は出店理由について「質が高く、手頃な宿泊施設への需要の高まりにどう応えていくかが重要になっている」と説明した。 水道光熱費や人件費の上昇などが影響し、2023年度消費者物価指数で、ホテルなどの宿泊料は前年度比25・5%増。宿泊費を経費でまかなえず、ホテル探しに苦慮する出張客は多く、円安の恩恵を受ける訪日客にも低価格の宿を求める動きが出ている。 国内勢では、駅近の好立地を狙って急拡大するアパホテルなどさらに低価格な宿があり、価格やサービス面での競合が激しくなる可能性もある。 「フォーポイント フレックス」は昨年、経営破綻したユニゾホールディングス系の宿泊施設をブランド変更する形で順次、開業。国内では、今月から名古屋や金沢、神戸・三宮などで7軒を先行開業しており、来年2月に計画する福岡・博多を含め、14軒を〝集中投下〟する。カプアーノ氏は会見で、来年さらに2軒を東京都内で計画していることも明かした。(田村慶子)