【漫画】「バケモノだったとしても…愛してる」ドラァグクイーンの母と不良少女の家族愛溢れる感動のアクションドラマに「一本の映画を見たような満足感」と反響多数
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、原作:火鳥さん、作画:満月さんによる共同作品「ドラァグクイーンに拾われた不良少女の話」をピックアップ。4月24日にX(旧Twitter)で同作を投稿したところ、そのツイートには1.1万以上のいいねと共に、多くの反響コメントが寄せられた。この記事では、火鳥 満月のお二人にインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについて語ってもらった。 【漫画】女装家の母親と不良少女、絶体絶命のピンチを救ったのはバケモノだった――意外な結末に「最高すぎる」の声 ■命を懸けて守りたいのは、血のつながりでなく心でつながった我が子だった 16歳の誕生日を迎えたアンは、友人のボブに頼んで拳銃を極秘入手していた。その現場をたまたま目撃していたキャンディと子猫のホワイティは、ひょんなことからアンに懐き、家までついて来てしまう。アンが幼い頃に親元を飛び出して以来、母親代わりとして共に暮らしてきたミラーは、小さな来客を見るなり「なにか事情があるのかもしれないし、しばらくうちにいればいいじゃない?」と母性を爆発させる。 しかし、キャンディが連れていたホワイティは、実はホワイトライオンの子どもで、マフィアが高額をかけて捜していることが分かった。すぐに逃げようとした一同だったが、ミラーの同僚であったはずのロージとその手下からの襲撃を受ける。 「気持ち悪いのよあんたたち、ずっと!本当の家族でもないのにベッタリと!」とロージから罵倒されたミラーは、「私の家族を悪く言うのは決してゆるさない!」と怒り、自分が犠牲になっても子どもたちを守ろうと奮闘する。ミラーはこれまで、ドラァグクイーンという職業と見た目のせいで、アンに恥ずかしい思いをさせてきたのではと気にかかっていた。しかしアンにとって、かっこよくて優しいママ・ミラーは、いつだって完璧な母親だった。 「たとえあんたがバケモノだったとしても…愛してる。愛してるよ…」 負傷したミラーに覆いかぶさるアン。その言葉を聞いたキャンディは、驚きの変貌を遂げたのだった――。 感動と驚きのラストを見届けた読者からは、「愛が深けぇ…たまんないです」「一本の映画を見たような満足感でした。幸あれ…」などの声が多数上がっていた。 ■「ハンバーガーのような気軽で、でも絶対に美味しいやつ」原作者:火鳥さんに聞く制作の背景 ――『ドラァグクイーンに拾われた不良少女の話』を創作したきっかけや理由があればお教えください。 作家仲間と「4p漫画を短時間で作ろう!」という遊びをしていたのですが、その時に出てきたネタがすごく気に入ったので、そこから着想を得て読切化しました。 実はその時の4p漫画は『化物に侵食された少女』という、かなりダークでシリアスなものだったんです。 ――本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。 本作の制作をするにあたって「ハンバーガーのような気軽で、でも絶対に美味しいやつ」みたいな作品を目指してみようと思いました。アメリカのアクション映画が好きで、セリフの洋画っぽさにもぜひ注目してみてほしいです。 あとは見どころのアクションシーン。カメラワークも映画感が出るようにこだわっているので、ぜひ楽しんでもらえたら嬉しいです。 ――本作の中で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。 原作の火鳥が気に入っているのは、倒れたママ・ミラーが、去るアンの背中を見て「神様、私の分の光が、幸福が、全てこの子に降り注ぎますように――」と願うシーンです。 私は漫画家デビュー直後に母を亡くしていて、ふと、本作の終盤を執筆してる時に「きっとあの母なら、私が辛い時にはこんなふうに願ってくれるのかもな」とポンっと思い浮かんだセリフでした。母の光を受けて私も頑張っていこうと思えたので、とても思い入れのある場面になっています。 作画の満月のお気に入りは、キャンディが実はエイリアンで、口から触手を吐き出すシーンです。理由は作画としてそこが一番描きがいがあり、読者を驚かせるポイントだったからです。あそこが一番エンタメしてたと思います! ――ママ・ミラーの個性的かつ愛情あふれるキャラクターが読者の反響を呼んでいますが、本作のキャラクター構築やストーリーのアイディアはどのようなところから発想を得ているのでしょうか。 ママ・ミラー、人気ですよね。私たちも喜びつつ驚いています。 ドラァグクイーンはずっと描いてみたかった題材でした。大好きな映画である【キンキーブーツ】や【チョコレートドーナツ】からも影響を受けています。他にもドラァグクイーンを扱う番組や動画をいくつも観て、キャラクター像を固めていきました。 その際に、「ママは葛藤も苦しみもありながら、それでも常に『愛』を選ぶ人なんだ」ということに気づいた時、ガシッと人物が出来上がったのを感じました。 ――今後の展望や目標をお教えください。 より強いエネルギーを込めた作品をたくさん創り、多くの人の心に届けられるようになるのが目標です。 ネットには本当に可能性が詰まっていて、今回本作をたくさん読んでいただけたのもSNSがあってこそのものでした。 改めて色んなチャンスのある世界だなぁと実感しています。 その一つひとつの機会を大事に育てて、幅広い方法で面白いものを発信できる漫画家になっていきたいです。 ――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。 私たちが創っているものは読んでくれる方がいなくては成り立たないものです。 コメントもいつも大事に読んでいます。中にはお手紙やイラストをはじめ、ラテアートやアニメーション、キャラクターをイメージしたアクセサリーを創ってくださる方もいて…。 大きなものをいつも頂いていますし、これは作品で倍にして返す他ないな、と闘志を燃やしています。 皆さんがいるから火鳥満月でいられています。 心から感謝してます。いつも応援ありがとうございます。
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