本木雅弘、倉本聰作品に初参加 主演映画「海の沈黙」で小泉今日子と32年ぶり共演
■かつての恋人役に小泉今日子…32年ぶりの共演
共演陣も豪華な顔ぶれが揃った。津山のかつての恋人・安奈を、小泉今日子が演じる。 大下「小泉今日子さん、かつての恋人役で”花の82年組”でデビュー同期。おふたりが再会するシーンがとても素敵で好きで…」 本木「不思議ですよね。役の上で再会するシーンなんですけど…」 2人はこの作品で、およそ32年ぶりの共演を果たした。 映画「海の沈黙」(埠頭の再会シーン) 津山「やぁ、みつかっちゃいましたね」 安奈「何年振りかしら?」 津山「忘れました」 大下「私、『あぁ!』って、映画を観ながら声出すことって初めてで。 おふたりの会話と情景、場面がすごく良い…」 本木 「何気ない埠頭でちょっと薄い風が吹いていてという感じで。 ただ元恋人同士が再会したという懐かしさとか嬉しさとかだけではないし、そのころには、映画の役どころでは、命が尽きるもしれないと自覚しているし、だから30何年振りにあった。ただ恋人というよりも、この2人の関係が面白くて…」 画家・津山の行動を見守る謎めいた男の役は、中井貴一だ。 本木「津山竜二というアーティストを献身的に支える、マネージャーみたいな役どころなんですけど、中井さんは徹底しているしブレないんですよ。私もどこかで演じる中に込めようと思っていたのは、最近の言い方でいえばソウルメイト的な、純粋に美に対しての思いとか。そういう風に通じ合っているから、そこで繋がっているということのブレなさ」 だが、そんな中井に対しては、ある”不満”があったという…。 本木「中井さんがズルいなというか、心がつながっている役なので、撮影中も自分で誘って親交を深めた方がいいのかなという風に思うんですけど。時々、出番がないときにジムで会ったりして、『こっそり誘ってみようか』みたいな、彼女に声をかけられない何とかみたいですけど、タイミングをずっと考えていたんですね。一度思い切って『いついつの日、中井さん何時に終わるみたいなんですけど、食事とかどうですか?』みたいな感じで言って…」 大下「勇気 出していきました」 本木「『OK』と言われたんですけど」 やっとの思いで食事の約束を取り付けたが、直前になって連絡がきた。 急用ができたのでキャンセルにと…。 本木「それで映画の撮影中、そうやって悶々として自分の出番が終わってしまった…。私が最後に中井さんにご挨拶に行った。その時に終わったから、正直に話したんですよ。『声かけていいのかどうやら…親交を深められないままで、すみませんでしたって』。 そうしたら『とんでもない、僕そういうの大嫌いなんだよ。俺は本木君の目を見ても竜次としか見てないよ。これで一緒に酒飲んで飯食って、嫌なところとか見ちゃったら、そのあと芝居できないじゃん』と。 そういうスタンスだったんですよ」 大下「最初にそう言ってくだされば、思い悩むこともね…」 本木「そうですよね。あの戸惑っていた時間を返してくれよ(笑)」