正月の風物詩でもある人気曲『ラデツキー行進曲』の生みの親。ヨハン・シュトラウス1世とは
クラシックソムリエが語る「名曲物語365」
難しいイメージのあるクラシック音楽も、作品に秘められた思いやエピソードを知ればぐっと身近な存在に。人生を豊かに彩る音楽の世界を、クラシックソムリエの田中 泰さんが案内します。
ヨハン・シュトラウス1世『ラデツキー行進曲』 ニューイヤーコンサートの最後を飾る超人気曲
今日3月14日は、ヨハン・シュトラウス1世(1804~49)の誕生日です。 “ワルツ王"ヨハン・シュトラウス2世(1825~99)の父にして、元祖ウィンナ・ワルツ&ポルカのヒット作曲家の誉れ高いヨハン・シュトラウス1世は、ヨゼフ・ランナー楽団のヴァイオリニスト兼指揮者を経て1825年に自らのオーケストラを創設。彼が生み出す優雅で上品な作品の数々は、ウィーン及びヨーロッパの諸国を席巻します。 当時最高のスター音楽家となった彼は、後にウィーン宮廷舞踏会の音楽監督に就任。彼が築いたワルツの伝統は、後に続く長男ヨハン・シュトラウス2世や、次男ヨーゼフ・シュトラウス(1827~70)へと受け継がれています。 その彼の代表作『ラデツキー行進曲』は、1848年当時オーストリア領であった北イタリアの独立運動を鎮圧したヨーゼフ・ラデツキー将軍の凱旋祝賀会のために作曲された名曲です。今では、新年恒例「ウィーン・フィルのニューイヤーコンサート」の最後を飾る曲として、あまりにも有名ですね。
田中 泰/Yasushi Tanaka
一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。ラジオや飛行機の機内チャンネルのほか、さまざまなメディアでの執筆や講演を通してクラシック音楽の魅力を発信している。
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