<下剋上で頂へ―’24センバツ・中央学院>第2部・合宿で得たもの/下 機先制す速さ課題 残り3週間、どう克服 /千葉
中央学院のグラウンド(我孫子市)で15日、「早く動いて」「終わったらすぐに」と選手らに何度も声をかける主将の中村研心(2年)の姿があった。石垣島(沖縄県石垣市)での合宿で浮き彫りになった課題を踏まえての行動だった。 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 「メリハリを付けろ」。合宿5日目の紅白戦終了後、福嶋翔平部長が選手らを注意した。練習前後や合間の行動が遅く、プレーに悪影響を及ぼしているとの指摘だった。福嶋部長ら中央学院の指導者はスピード感を持って行動することの大切さや、機先を制する攻撃の必要性を繰り返し伝えてきた。 先制攻撃は昨秋の県大会や関東大会などでも課題だった。県大会では序盤にリードを許す展開が目立ち、準々決勝の東海大市原望洋戦では二回に大量失点して、最後まで苦戦を強いられた。 にもかかわらず、合宿中の紅白戦でも序盤は打線が沈黙。最初から実力を発揮できないのは、準備不足で試合にうまく入ることができていないためと福嶋部長は考えていた。 中村は、部員らに素早い行動を呼びかけ続けたが、改善しなかった。合宿でも長い移動時間で練習時間が限られている中、選手らは到着後からウオーミングアップまでの準備に、必要以上に時間がかかった。 石垣島から戻った後、2年生はミーティングをして、行動の遅さについて課題として共有した。 内野手の森田倫揮(ともき)(同)は「昨秋の大会中のチームの雰囲気が一番良かったと感じていたが、今はまだそこまで達していない。指導者に言われるまで気付かないようでは駄目。自分たちで言い合えるようにならなければ」と気を引き締める。 合宿を通して、課題も浮き彫りとなった。大舞台の開幕まで残り約3週間。どう克服し、本番に挑むか。「下剋上野球」の真価が問われる。【林帆南】