50歳から運動に挑戦。太極拳にダンベル体操…身体を痛めて辞めてばかり。理想の運動に辿りつくも、思わぬ敵が現れた
◆何かを始めるたび故障するポンコツな私 張り切って運動を始めたのに、出ばなを挫かれて不完全燃焼の私。思わず「健康のためと思って高い授業料を払ったのに、怪我ばかりで嫌になる」と友人に電話で愚痴ると、「スロージョギングをやってみたら?」と意外な答えが返ってきました。 小さな歩幅でゆっくり走るスロージョギングは、足の指の付け根あたりから着地するという独特なフォームが特徴だそう。これならお金もかからないし、走るだけだから怪我の心配もないはず! 早速、人通りの少ない近所の裏道を走ってみることにしました。いざ走ってみると、着地を意識しすぎるせいか、なかなか前に進みません。同じ場所で足踏みをしているだけじゃないか。すれ違う学生に不思議そうに見られ、そそくさと退散することに。 その後も継続は力なりと思って続けていましたが、どうやら間違 ったフォームだったようで膝を痛めてしまい、走れなくなってしまったのです。 ただ運動がしたいだけなのに、なぜこうもうまくいかないのか……。何かを始めるたびに、必ずあちこち故障するポンコツおばさんの私。絶望しながら洗濯物を干していると、「テレビ体操が健康にいい」と紹介するテレビ番組が目に飛び込んできました。 懲りない私は家事を終えると、早速リビングで録画したテレビ体操を流しながらやってみることに。簡単そうだけど、リズムに合わせて体を動かすのはなかなか難しい。こうなったら毎日コツコツ続けて極めよう。もう私にはこれしか残されていないのだから。
翌日。まだまだリズムには乗れないけれど、体をゆっくり動かすだけでも十分気持ちがいい。ところが、勇んで足踏みをしていると、飼い猫が足首に齧りついてきたのです。激痛で、そのまま転倒。転んだ拍子に猫に軽くぶつかってしまったことで、さらに攻撃的になった猫が飛びかかってきて大わらわ。 気を取り直して再び体操に励むも、またしても襲いかかってくる猫。これでは安心して体が動かせないじゃないか。場所を玄関に替えよう。部屋の扉を閉めれば猫がくる心配はないし――と思いきや、猫が二本足で立って、すりガラスの扉を前足でバンバンと叩いてやめようとしません。 どこまでも邪魔をする気だな、恐ろしい奴……。けれど、ここは無視して体操を続けねば。 ようやくテレビ体操が日課になり始めたある日の朝、起きようとすると肩に違和感があり、痛くて腕が上がらない。思い当たるのは、慣れてきたからと自分勝手なフォームでテレビ体操を続けたこと。あれだけ猫が邪魔してきたのは、「怪我をするからやめとけ」という忠告だったのかもしれません……。 けれど、老後も自立した生活を送るためには体づくりを諦めるわけにいかない。こんな私に合う運動はあるのでしょうか。