象徴的だった開始5分のショートカウンター。マリ戦から一転、大岩ジャパンはウクライナ戦で積極的な姿勢を打ち出し勝利を掴んだ【U-23代表】
短い時間で立て直せたのは見事
このシュートに行く流れに象徴されるように、雨のピッチでミスのリスクもあるなかでも、前向きなプレーが多く目につく試合だった。藤田は「今回のセンターバック2人も落ち着いてビルドアップできましたし、守備でハメて行く時も、前に強く行けていた」と振り返る。 「馬場(晴也)だったり(鈴木)海音もうまくコントロールしていましたし、他にも大畑(歩夢)だったりセキ(関根大輝)、後ろは全般的に声を出していましたし、前もうまく要求できていた」 リズムの良かった前半に得点が生まれず、嫌な雰囲気が漂いそうな状況ではあったが、ロッカールームでも「高い位置で奪ってからチャンスというシーンは多くて、それで点を取れなかったですけど、ハーフタイムでも焦れずに行こうという声は出ていました」と藤田。 そのうえで、後半のスタートから投入された細谷真大(柏)や平河悠(町田)など、途中出場の選手たちをうまく活かして得点を狙う意識をチームで揃えて、後半に入ったという。 待望の先制点は、CKから関根が絡んで、最後は佐藤恵允(ブレーメン)が押し込む形だったが、勝利を決定づける終盤の追加点は、佐藤のボール奪取から細谷が鋭い動き出しでショートカウンターを引き出し、3枚目の交代選手だった田中聡(湘南)の左足によるゴールとなった。 マリ戦は慣れないアフリカ勢ということを差し引いても、全体的に消極的なプレーが目立ち、試合中の声も限られた。それから短い時間で立て直せたのは見事だった。 もちろん、パリ五輪の出場権が懸かる4月のU-23アジアカップは、親善試合と違った戦いになるし、A代表がアジアカップで苦しんだような戦いに似てくる可能性もある。山本や藤田を中心に、チームの姿勢を共有して一旦解散。カタールに乗り込むメンバーがどうなるかは分からないが、ある種、A代表のワールドカップ最終予選より難しいとも言われる五輪の切符を掴む戦いに向けて、悪くない流れだろう。 取材・文●河治良幸
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