【LiLiCoのこの映画、埋もらさせちゃダメ!】サバイバルドラマとしてのリアルも追求されています『エア・ロック 海底緊急避難所』
TV『王様のブランチ』で2001年から映画コメンテーターとして出演するほか、マルチに活躍されているLiLiCoさん。これまでも数々の映画をナビゲートしてきたLiLiCoさんに、「これは絶対に観逃してほしくない!」という“埋もらせ厳禁”な映画について語っていただきます。 【全ての画像】『エア・ロック 海底緊急避難所』『サユリ』
サメ映画の面白さを分かった上でシチュエーションを限定的にしたアイデア作品
子どもたちの夏休みも終盤、大人もそうかな? 今回は夏の気分をもうちょっと味わいたい方にぴったりの2作を紹介します。どちらも早めに観に行ってくれないと、公開終わっちゃうかもしれないので、興味を持ってくれたらソッコーでチェックしてくださいね。まずは『エア・ロック 海底緊急避難所』。イギリスのサメ映画です。 メキシコのリゾートに向かう飛行機には、卒業旅行に向かう大学生エヴァや、大好きなおじいちゃんおばあちゃんと一緒に旅行を楽しもうとする少女ローザなどなど、それぞれの思いを胸にした人々が乗っていました。ところが、飛行中にバードストライク。しかもエンジンに激突したため、機体は一気に墜落し、機体も海底に沈んでしまいます。 からくも生き延びたのは、エヴァとローズを含む7人だけ。しかも、大海ど真ん中に孤立した彼らが生命を維持できるのは、機内にあるエアロックの1箇所だけ。7人とはいえ、救助を待つには狭すぎるし、酸素も十分じゃありません。おまけに海底なので、水圧がかかって機体も不安定。そんな中、なんと人喰ザメまで襲来し……。海という広い舞台だけど、密室のサバイバルスリラーです。 これを作ったのは、同じくサメ映画の名作『海底47m』を手掛けたプロデューサー、脚本家なので、サメ映画の面白さを分かった上でシチュエーションを限定的にした、というアイデア作品でもあります。飛行機とサメ。サメ映画が海に限定したものじゃなくなった今、飛行機を舞台にどうサメを登場させるか、といったらこのシチュエーションがピッタリ。空気があるから沈むスピードは遅いとはいえ、徐々に沈みつつあるエアロック部分という密室で、生き延びようとする生存者たちの心理状況が克明に描かれているんですよ。 ぶっちゃけそれだけでも十分怖いのに、サメまで登場。最高ですよね。生存者7人それぞれが抱えている事情も、ドラマの展開にはしっくりハマっているので、サバイバルドラマとしてのリアルも追求されています。いやー、面白かった!