新型コロナ専門家会議が会見(全文1)医療供給体制の強化が喫緊の課題
医療供給体制はまだまだ不十分
それから3番目は国民の行動変容や健康管理に当たって、アプリなどSNSを活用した効率的かつ双方向の取り組みが一部でなされているけど、もう少しやったほうがいいんじゃないかという感想を、これは持っております。 さて、課題の3番目、最後の課題ですけども、ここはいわゆる重症者を優先する医療供給体制、いろんなところで、いろんな地域で頑張っていただいていますが、まだまだ不十分。まだまだやるべきことがあるというのがわれわれの認識であります。 さて、以上の3つの大きな課題を基に、幾つかの提言がございます。まずは1番目の提言は例の地域区分についてでありますが、それぞれの地域がどのレベルでの感染が拡大しているかということを都道府県が判断するための指標といいますか、インディケーターというものをある程度まとめさせていただきました。 幾つかありますけども、まず1点目は、新規の確定患者数、これは当然ですよね。ただ、これについては、これは2週間前の状況を反映するということで、即効性はないけども非常に重要な。それから、これは2番目の重要な指標としては当然のことながら、リンクが不明な新規確定患者数ということで、これは皆さまもすでに慣れていることだと思います。 それから、比較的、今言った2つに加えて早期に、この感染拡大の予兆を早期にピックアップできるという指標として、帰国者・接触者外来の受診者数ということも参考にしたらいいんじゃないかと思います。さらに帰国者・接触者相談センターの相談票の数ということも含めたらいいと思います。さらに、都道府県別のPCRの検査、幾つ検査したのか、何例検査したのか、そのうち何例がPCR陽性だったか、陽性率というのも加えたらいいと思います。さらに、今、申し上げた実効再生産数なんかも参考にしていただきたい。
感染拡大警戒地域・感染確認地域・感染未確認地域
それから、地域の全体の医療状況、医療供給体制が逼迫しているか、余裕があるのかというような、医療供給体制を評価する指標としては幾つか考えまして、まずは重症者の数、入院者の数、利用可能な病床数とその稼働率や空床の数、それから利用可能な人工呼吸器数、ECOMの数、そしてその稼働状況、それから医療従事者が十分確保されているかどうかなどを、定期的に地域医療の医療体制の評価をするために使っていただければと思います。 さて、2番目の提言は地域の区分の考え方であります。前回は3つの区分について、名前をそれぞれ冠したわけですけど、少し感染状況を、これは適切に表すということで、ちょっとネーミングを少しだけ変えました。3つのレベルをそれぞれ、一番感染の拡大が広がっているところから申しますと、まず1番目に感染拡大警戒地域。それから2番目が感染確認地域。3番目が感染未確認地域という名称で呼ぶことにいたしました。 さて、こうした地域区分の中で多くの方が関心がある学校のことでありますけども、学校については、現在の知見では、子供は地域において感染を拡大する役割をほとんど担っていない。子供は地域において感染を拡大する、いわゆるドライビングフォース、主たるドライビングフォースになっているということはほとんどないんじゃないかというふうに、私どもはそういうエビデンスというか、そういう情報を得ております。 従って学校については、地域や生活圏ごとの、これは県という大きなくくりではなくて、地域や生活圏ごとの蔓延の状況を踏まえて判断していくことが重要だと思います。もちろん子供に関する新たな知見、エビデンスが出ていけばまた適宜、修正していきたいと思います。