山田孝之“頼之”の不気味さも際立つ…“顔が見えない役”で発揮する演技力<七夕の国>
細田佳央太が主演を務めるドラマ「七夕の国」の第4、5話が7月11日に配信された。超能力の才能が開花していくナン丸(細田)だが、今回はそれをはるかに凌駕する能力を持った謎多き男・丸神頼之(山田孝之)の存在感に引き付けられた。(以下、第5話までのネタバレを含みます) 【写真】超能力を開花させていくナン丸(細田佳央太)の額に不思議なできものが…反応は思春期の青年のよう ■役に立たない超能力を持つ平凡な大学生が主人公のミステリー 本作は、「寄生獣」で知られる漫画家・岩明均による同名コミックを実写化。物に触れずに小さな穴を開けるという役に立たない“超能力”を持つ大学生・南丸洋二(通称:ナン丸)を主人公に、不気味な超常ミステリーの物語が繰り広げられる。 細田が主人公・ナン丸役を務めるほか、ナン丸が訪れる里で暮らす東丸幸子を藤野涼子、幸子が恐れる兄・東丸高志を上杉柊平、ナン丸と共に謎を追う大学の助教授・江見早百合を木竜麻生、ナン丸が通う大学の教授で失踪してしまう丸神正美を三上博史、多くの謎を持つ丸神頼之を山田が演じている。 ■“謎多き男”に扮(ふん)する山田が圧巻 失踪した丸神教授を追って閉鎖的な町“丸神の里”を訪れたナン丸は、自分がこの町に先祖を持つ“球体を操る能力者”だと知る。第4、5話では、ナン丸がその能力を高志に引き出してもらうが、セミナーの講師として金儲けに利用されたことにショックを受け、能力の使い道について考えて始める展開に。 そんな中、謎多き丸神頼之の不気味な存在感が一段と高まった。 第3話で国会議員が講演中に黒い巨大球体によって上半身をエグられて殺害される事件が起きたが、その球体を生み出したのは頼之だ。つばが少し広めの帽子をかぶり、長髪で顔をほとんど白い布で覆っていて見ることができなかった。でも、その声で山田が演じていると推測できる。 目の動きさえ読み取れない、顔を隠した状態で、声と動きを使いつつ、ただならぬ気配を全身から発する。これまで多くの作品で、くせ者の役柄も難なくこなしてきた山田の表現力だ。 第4話ラストでは、国会議員殺害の依頼者であり、1億もの大金を支払って頼之の力を利用して何やら企む“先生”と呼ばれる権力者の元を訪れた頼之。挑発された権力者が呼び出したボディーガード数人が銃を出そうとするが、頼之は手のひらから人数分の球体を出して彼らの額に放ち殺した。 ナン丸が少々時間をかけて生み出せるようになった黒い球体を難なく出して、コントロールさえ完璧にできる。頼之の能力の高さが分かるシーンだった。 そして権力者にさらした顔は、額に石のようなものが埋まっていて「宇宙人?」と思わずつぶやいたほど不可思議なもの。「失礼な。俺はこれでも日本人だぞ」という頼之のせりふは、ニヤッとする絶妙な塩梅だった。 ■謎の真相に向かって大きく動き始める 明らかになった頼之の風貌は、CGと特殊メイクで造形されているという。瀧悠輔監督は本作の特別試写イベントで「山田孝之さんにしかできない丸神頼之になっています」と語り、主演の細田は「顔が見えない役でもささいな感情の変化も感じましたし、刺激を受けました」と称賛していた。 まさに2人が語る通りの演技を本格的に目撃することになった第4話、第5話。視聴者からも「ただただ頼之さんが山田孝之でよかった」「山田孝之in頼之さんがかっこいい」といった声が。 能力を開花させていったナン丸も額に赤いできものができ、頼之の額にあるものと通じるのかも気になる点として新たに浮上。第5話では、ナン丸と上京した幸子と里の者たちが高志と対峙(たいじ)し、さらに頼之が現われる場面もあり、終盤に向けて物語が大きく動き始めた。キャラクターの面白さと、謎解きを楽しみに次回を待ちたい。 「七夕の国」(全10話)は、毎週木曜にディズニープラスのスターで独占配信中。次回は7月18日(木)に第6、7話が配信される。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部