トランプ氏、不法移民問題やインフレでハリス陣営を攻撃…終盤は「ラストベルト」の激戦州や無党派層の支持獲得に奮闘
【ワシントン=田島大志】米共和党のトランプ前大統領は、不法移民問題やインフレ(物価上昇)などに焦点を絞り、現政権の一翼を担ってきた民主党のハリス副大統領を徹底的に攻撃してきた。経済運営の手腕をアピールしつつ、国民の現状への不満を喚起することで、自身への支持拡大につなげる戦略を取った。
トランプ氏は2016年の大統領選で「忘れられた人々」と呼ぶ白人労働者から熱狂的な支持を受け、勝利の原動力とした。この岩盤支持層は今回も健在で、選挙戦を支えてきた。
かつて製造業がさかんだった「ラストベルト」に位置し白人労働者が多い激戦州のペンシルベニア州など3州のテコ入れに向け、著書に白人労働者層の悲哀を描いたベストセラーの自叙伝を持つJ・D・バンス上院議員を副大統領候補に起用した。政策面でも、中国への関税強化など「製造業保護」を鮮明にして支持を訴えてきた。
終盤戦では、実業家イーロン・マスク氏の全面的な支援を得て資金力を増した。無所属での立候補を目指していたジョン・F・ケネディ元大統領のおいロバート・ケネディ・ジュニア氏の支持も取り付けるなどして無党派層対策も進めてきた。