ロバート・ケネディ・ジュニア氏が全製薬会社に最高裁で勝訴?繰り返し拡散する偽情報【ファクトチェック】
ロバート・ケネディ・ジュニア氏が「全製薬会社を相手に勝訴」と主張する英文の画像つきの日本語投稿が拡散しましたが誤りです。2022年10月に投稿された偽情報で、これまでに何度も拡散して検証されています。
検証対象
2025年1月3日、「ロバート・ケネディ・ジュニア氏が全ての製薬会社ロビイストを相手に勝訴した」という情報が拡散した。日本語の投稿だが英文の画像付き投稿を引用している。 画像の見出しはBreaking(速報)。「ロバート・F・ケネディ・ジュニアが全ての製薬会社ロビイストに勝訴した。この判決で最高裁は、新型コロナウイルスのmRNAワクチンによる損害が回復不能であることを確認した」と英文で書かれている。 この投稿は21万を超える閲覧と1100以上のリポストを獲得している。「新年早々素晴らしいニュースですね」「素晴らしい情報をありがとうございます」という書き込みの一方で、「デマ情報ポストして良いのか」などの反応も多い。
検証過程
アメリカ最高裁の判決文は 米国最高裁アーカイブで検索できるが、ワクチンの安全性をめぐってロバート・ケネディ・ジュニア氏が関わったものは無い。 この情報については、これまでも海外のメディアがファクトチェックしている。2022年8月、AP通信が今回と同じ内容を検証して、「誤り」と判定している。根拠には最高裁のアーカイブにないことを挙げたほか、ケネディ氏が2021年にAP通信の取材に対して「ワクチンの安全性に関する数十件の訴訟に関わってきたが、最高裁に至ったものはなかった」と答えたことを挙げている。 また、米メディアUSAトゥデーも、2024年10月にFacebookで同じ内容の情報が再び拡散したことを受けて検証記事を配信、同じく「誤り」と判定している。 ケネディ元大統領のおいで、弁護士のケネディ・ジュニア氏はワクチン懐疑派として知られ、トランプ次期大統領は、選挙で自らを支持したケネディ氏を保健福祉省(HHS)長官として起用すると発表している(NHK)。
判定
「ロバート・ケネディ・ジュニア氏が全製薬会社を相手に最高裁で勝訴した」という画像付きの情報が日本で拡散したが、誤り。裁判所の記録に無い。繰り返し拡散して複数のファクトチェック記事で「誤り」と報じられている。 検証:木山竣策、宮本聖二 編集:藤森かもめ、古田大輔 判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。