牛乳で飲むと骨粗鬆症治療薬が効かない!? 薬を服用してはいけない飲み物とは?
牛乳によって吸収されなくなる薬がある
次にとり上げる牛乳は、コーヒー、紅茶のような嗜好性飲料ではないが、それなりに注意を要する飲み物である。牛乳から得られる栄養素としてカルシウムがあり、その補給源として欠かせない。しかし、このカルシウムと結合して吸収されなくなってしまう医薬品がいくつかある。 まずニューキノロン系と言われる抗菌剤のガレノキサシン(製品名ジェニナック)、レボフロキサシン(製品名クラビット)、シタフロキサシン(製品名グレースビット)、オフロキサシン(製品名タリビッド)、トスフロキサシン(製品名オゼックス)。そしてテトラサイクリン系の抗生物質ミノサイクリン(製品名ミノマイシン)、ドキシサイクリン(製品名ビブラマイシン)、テトラサイクリン(製品名アクロマイシン)など、すべての医薬品の吸収が相当抑制されることが判明している。 さらに前立腺がんの抗がん剤エストラムスチン(製品名エストラサイト)、骨粗鬆症薬のビスホスホネート系の医薬品もカルシウムと結合して吸収されなくなってしまうことが判明している。 ここにあげた医薬品の中には、効果がなくなってしまうと命にかかわるものがある。それだけに十分な注意が必要である。ただこれらの薬を投与されている人が牛乳を飲みたい場合には、胃の中で牛乳と薬が一緒にならなければよいので、2時間以上、間を空ければよいとされている。 最後に飲料としてお酒を取り上げたい。お酒と一緒に服用すると基本的にアルコールによって吸収が促進される薬が多い。そのため効果が強く出すぎる可能性がある。それとともに、解熱鎮痛薬、睡眠薬、抗うつ薬といったいわゆる向精神薬は吸収が促進されるだけでなく、アルコールが中枢神経系に作用するので、これらの薬はお酒と一緒に服用してはならない。 続きは<健康食品で今飲んでいる薬が効きすぎたり効かなかったり、その飲み合わせが重大事故を招く>で公開中!
長村 洋一(一般社団法人日本食品安全協会代表理事)