「食事も接客も申し分ないけれど…」“高級な宿”の落とし穴 「広すぎた」「古すぎた」「忙しなかった」宿泊者が満足できなかったポイント
旅の楽しみの1つが「宿」。ホテルや旅館の印象は、旅の満足度を大きく左右するものだ。しかし、必ずしも料金が高いホテルを選べばOKというわけでもない。“高級な宿”に泊まったのに満足できなかった経験があるという人たちに、何が問題だったのか話を聞いた。
「お風呂につくまでにくたびれはてた」
先日、日本有数のリゾート地を訪れたYさん(50代/男性)は、“コテコテのバブル仕様”のホテルに「してやられた」と明かす。 「親戚にお祝いごとがあり、親戚一同が集まってハイグレードなホテルに泊まりましたが、これがミスチョイスで……。ホテルは1990年代に建てられたもので、エントランスもエレベーターホールも超豪華。それは良かったのですが、施設がバカみたいにデカいのです。 お目当ての1つは、眺望が素晴らしいと評判のお風呂でしたが、そこに行くまでが大変。まず、宿泊棟の高層階からエントランスフロアに降り、広大な敷地を移動する専用バスに乗り、別棟のフロントで入場用の専用カードを受取り、さらに建物内を5分ほど歩いて、ようやく到着です。部屋からお風呂まではバスの待ち時間を含めて20分近く掛かりました。80代のおばは、あまりに広くて複雑な構造の別棟で迷子になり、『お風呂に着くまでにくたびれはてた』と話していました。 宿泊棟も1フロアがとてつもなく広いので、エレベーターを降りて部屋に行くだけでも一苦労。スタッフの応対や食事は流石のレベルでしたが、年配の親戚は口々に『広すぎる』『疲れた』とこぼしていました」 バブル期に計画されたホテルには、今では考えられないほど豪華で、とんでもなく巨大な建物が存在する。それを楽しむのも旅の魅力の1つかもしれないが、年輩の方には辛いケースもあるだろう。
「全館空調」の落とし穴
Tさん(40代/女性)は、巷で評価の高いホテルでガッカリする羽目になった。Tさんが泊まったのは、旅行サイトの口コミランキングで必ず上位に入るホテル。お風呂と食事は評判通りだったが、部屋に問題があった。 「そのホテルは、ツアー旅行の目玉になるような人気の宿。フロントの作りは格式高く、スタッフの対応も申し分ありませんでしたが、部屋に入ると寒くて仕方ないんです。すぐにフロントに連絡すると、スタッフは申し訳無さそうに『全館空調なので、部屋ごとに設定はできない』とのこと。寒暖差の激しい季節だったで、設定温度の調整が難しかったようですが、寒くて仕方ないので、ずっと毛布にくるまっていました」