美しい女性へと変貌を遂げた元男性、豊胸手術の実態とコンプレックスの日々を告白「普通の女性の見た目になりたかった」
■公表されにくい“豊胸”の実態「発信者として悩んでいる人の助けになりたかった」
――豊胸手術の前に、女性ホルモン注射も始められています。 「女性ホルモン注射をしたことで、全体に脂肪がついて女性っぽくはなってきたんですが、胸は少しふくらんだかな、という程度でした。自分の理想に近づきたいと思ったとき、豊胸しかないなと思って」 ――豊かな胸が憧れだったんですね。 「胸だけが女性らしさにつながる部分ではないと思いますが、コンプレックスを抱えていた部分だったので…。靴下でごまかす毎日じゃなくて、普通の女性の見た目になりたかったんです」 ――手術に不安や心配などは… 「悩み抜いて覚悟を決めた上での決断だったので、怖さはあまりなくて、『やりたい』という想いのほうが強かったです。手術が決まってからは、“豊胸後の生まれ変わった自分を見てめちゃくちゃ嬉しくなっている夢”を見たほどです(笑)。手術は全身麻酔だったので、あっと言う間で。終わった直後から、着たい水着や服のことばかり考えていました」 ――豊胸の決意表明をした動画には多くの応援メッセージが寄せられていました。 「豊胸については、いろんな意見があると思うし、プライベートなことなので、配信しないという選択もできたんですが、性別関係なく、コンプレックスで豊胸する人はいますよね。でも、やっぱり言いにくいことなので公表してないっていう人の方が絶対に多い。だから、私は発信者として今の状況を伝えたいし、手術について悩んでいる人の参考になればいいな、と」 ――それで手術当日やダウンタイム中も公開されたんですね。 「悩んでいる方にとって少しでも役に立つ情報があったら嬉しいです」 ――女性ホルモン注射や豊胸手術など、凛さんの女性化について、ご家族は? 「実はもう長い間、父とは連絡を取ってないんです。自分の人生は自分で決めろというタイプではあるのですが、どう思っているかもわかりません。姉には全て話していますが、おそらく姉が父に話しているし、私のYouTubeも見ていると聞いていたから知ってくれているとは思うのですが…。今こうして東京で自分らしく頑張っているから、きっと何も言ってこないのでしょうね。いずれはきちんと話ができれば、と思います」 ――身体のコンプレックスや生まれ持った性への違和感などに悩みを抱えている方へのアドバイスをお願いします。 「私的には、同じ悩みを抱える人と友だちになるのが一番早いかなと思います。もし近くにいなければ、私のYouTubeを見てくれてもいいし、同じような悩みや生き方をしている人を見ることによって心強さというのは大きく変わると思うんですよ。ただ女性ホルモン注射や豊胸、性別適合手術などは様々なリスクもあります。しっかり覚悟ができるまで安易な気持ちでは受けないほうがいいのではないかと思います。自分らしく生きるために最善の方法を自分で見つけて、自分だけの人生を歩んでほしいと思います」 (取材・文/衣輪晋一)