早田ひな選手「夢諦めないで」 穴水で小中学生に卓球指導 サーブのこつなど実演
●穴水に能登6市町から100人 パリ五輪の女子卓球メダリスト、早田ひな選手(日本生命レッドエルフ)は29日、穴水町穴水中で開かれた講習会に参加し、輪島、珠洲、七尾、能登、穴水、志賀の6市町の小中学生約100人を指導した。早田選手は「災害でこれまでの生活ができなくなったと思うけれど、夢を諦めないでほしい」と呼び掛け、上達のこつを教わった子どもたちに笑顔が広がった。 【写真】練習を披露する早田選手 ●石川ユナイテッドと県企画 講習会は卓球・Tリーグの金沢ポートなど石川県内のトップスポーツ8チームでつくる一般社団法人石川ユナイテッドと県が復興支援を目的に開いた。参加者は早田選手が練習する様子を見学し、実際にボールを打ち合って指導を受けた。 参加者から「試合でミスをしたときはどう切り替えていますか」と問われると、早田選手は「ミスはしょうがないこと。後の練習で課題とすればいい」と、失敗を気にしないことの大切さを説いた。「サーブがうまくなるこつ」を聞かれた際には実演も披露した。 穴水中男子卓球部の片岡凌大主将(14)=2年=は地震で思うように練習できなかったこの1年を思い返し、「きょうの楽しい経験を忘れず、来年は仲間と部活を頑張りたい」と前を向いた。 パリ五輪では左腕を負傷しながらシングルスで銅メダルを獲得した早田選手。現在は「負傷前にできたことができなくなった」という。自身の現状と災害で普段の生活を失った参加者を重ね合わせ、「苦しい時間は長いと思うが、皆さんが笑顔でいることが誰かの救いになる」と語った。 日本生命レッドエルフからは村上恭和総監督が、金沢ポートから五十嵐史弥選手(遊学館高OB)、西東輝監督が参加した。五十嵐選手は講習会後、「笑顔で卓球を楽しむ子どもの姿に元気と勇気をもらった」と話した。一行は講習会に先立ち、穴水町役場で大間順子教育長と懇談した。