山形県知事選挙の告示まで2ヶ月切る 出馬表明いまだゼロ 現職の出馬は既定路線の声も
山形放送
任期満了に伴う山形県知事選挙の告示まで2か月を切りました。現職の吉村知事は現在も出馬を明言していませんが、「5期目を目指しての出馬は既定路線」との見方が広がっています。こうした中、関係者に対し吉村知事が「県政課題に引き続き取り組むこと」に意欲をにじませていることがわかりました。 10月に開かれた吉村知事の定例記者会見。毎回のように投げかけられるのはこの質問です。 質問「知事選だが日にちがあと3か月もない。いつかは決断しないといけないと思うが」 吉村知事「避難所で避難生活をしている方々がいる間はとてもとても出馬を明言する気持ちになれない。状況を見ながら熟慮して判断していきたい」 吉村知事の4期目の任期満了に伴い来年1月9日に告示される次期県知事選挙。 吉村知事は7月に庄内・最上地域を襲った大雨災害からの復旧を優先させたいとして、告示まで2か月を切った現在も出馬について明言を避け続けています。一方で、知事の支援者ら周辺では、5期目を目指しての出馬は「既定路線」との見方が強まっています。こうした中、関係者に対し吉村知事が「県政課題に引き続き取り組むこと」に意欲をにじませていることがわかりました。 後援会関係者「知事と会話した際、大雨からの復旧や空港の滑走路延長など県政課題に引き続き取り組むことへの意欲をにじませていた。知事がいつ出馬表明してもいいように後援会で準備を進めている」 支援する県議「ここまで来て出馬しないとなるといろいろな人に迷惑が掛かる。この時点まで来て出馬しない選択肢はないだろう」 10月に行われた衆議院議員選挙。選挙戦の中では知事選をにらんだとみられる動きも繰り広げられました。 「来年は無投票だな」 自民党が次期知事選で対抗馬の擁立を模索する中、吉村知事は衆院選のさなか、これまで知事選などで対立関係にあった自民党の候補者3人の激励に訪れました。 遠藤利明衆院議員「こうして知事に来ていただいて、これからの4年間その先山形にとっていろいろな課題があるし今しなければいけない仕事がいっぱいある。私もこれから知事と連携して進んでいきたい」 非自民系の吉村知事がこうした行動を取るのは「異例」とされていて、知事選を見据えた「歩み寄り」という観測が駆け巡りました。 記者「これから一緒にやっていきたいという話があったが、知事選もあるがそのあたりどうか」 吉村「そこも含めておっしゃったのかちょっとわからないので。でも新幹線のトンネルはしっかりと進めていきたい思いはある」 衆院選ではほかにも異例の動きがー。吉村知事と近い関係にあり、自民党とは対立関係にある県議会の会派「県政クラブ」に所属する吉村和武県議が1区の遠藤利明さんの応援演説を行ったのです。 吉村和武県議「しっかりと国と連携していかなければならない。そういう思いで知事は遠藤候補の事務所にも行かれましたし、私もいち県議会議員として全く同感であります。もし万が一のことがあったら吉村県政は立ち行かなくなる」 衆院選のさなかに繰り広げられた異例の動きに非自民系の関係者の間には衝撃が走りました。先の知事選を見据えた「接近」との見方も広がっています。 一方、自民党県連は現在も対抗馬を擁立できていません。関係者の一部からは吉村知事の人気の高さなどを背景に「不戦敗ムード」も漂っています。 自民党県連会長の遠藤利明衆院議員は衆院選で当選を決めた直後に出演したYBCの番組でー。 自民党県連会長遠藤利明・衆院議員「元々知事選の候補者を擁立する方針で来たのでそれは前提にあると思う中央政治がどうなるか決まった上で県連のなかで議論したい。現実的に『さぁ自分でやろう』と言う方がなかなかいない形で今まできた」 そして11日、国会に登院した遠藤議員は、YBCの取材に知事選への対応について「近々、結論を出さないといけない」と語りました。 自民党県連会長遠藤利明衆院議員「1月の選挙なのでそんなにゆっくりできない。どういう風な形にするか詰めの作業をしなければならない」(いつごろまでに?)「近々、県連幹部と会うのでその上で決定していきたい」 県のトップを決める知事選は来年1月9日の告示まで2か月を切ったものの、いまだ1人も出馬に名乗りを上げていない状態が続いています。告示が刻々と迫る中、吉村知事と自民党県連の「決断」が焦点となります。