「財源やりくりする方策を示すべき」 全国知事会長の宮城・村井知事「年収の壁」で国民民主に注文
全国知事会長の村井嘉浩宮城県知事は13日の定例記者会見で、「年収103万円の壁」の見直しで地方税収が大幅に減ることに触れ「県や市町村はたちどころに財政破綻する」と懸念を示した。見直しを主張する国民民主党に対し「現状では賛成できない。財源をやりくりする具体的な方策を示すべきだ」と注文した。 所得税の非課税枠を103万円から178万円に引き上げた場合、総務省は地方税の減収を4兆円と試算。村井知事は県と県内市町村で計810億円の減収になる見通しを示した。 壁の見直しは家計の負担軽減になるため「誰もが反対しづらい」としつつ、「税収減で住民サービスが下がる。これを国債で補ったりして後世にツケを回してはいけない」と強調した。 財源確保策を与党に委ねる玉木雄一郎国民代表の姿勢について「収入が増えれば消費が回って税収が上がる、という空言でなく地に足の着いた対策を」と指摘。国民が政界のキャスチングボートを握っており「責任の重みは衆院選前と違う」と苦言を呈した。 今後、知事会など地方6団体で政府に慎重な議論を求める考えも示した。
河北新報