吹き荒れる、Jリーグ金沢旋風! 見えてきた昇格チームの現状と課題とは
Jリーグ2015年シーズンが開幕して2カ月が経過した。今回は昇格したチームにスポットを当てて開幕からこれまでを振り返ってみたい。
J1昇格チームは順調な滑り出し
今季J1に昇格した3チーム(湘南、松本、山形)が、ここまで順調に勝点を伸ばしている。表1には過去5年の昇格チームの勝点動向をまとめた。上段は11節終了時、そして下段が全試合終了時の最終勝点を示しており(チームの表示順は昇格順位)、青枠は降格となったチームを表している。 過去5年を振り返ってみると、白星に恵まれず一桁勝点のチームが毎年存在するが、今年は昇格チームすべてが二桁勝点を挙げている。どのチームも負けが先行しているものの、しっかりと勝利し、過去5年の平均勝点「11.8」を超える勝点を挙げるなど、順調なスタートと言えるのではないだろうか。
降格に関する気になるデータも
ただし、データに気になる傾向も出ている。それは青枠が示す、昇格後1年で降格となったチームについて。10年から14年まで昇格順位の低いチーム順に「1、2、1、2、1」チームがそれぞれ降格という現実を毎年突きつけられている。その呪い?通りにいけば、今年は松本と山形が対象となりそうだが… それを避けるためにも今後、この3チームが気を付けたいのが失点数だろう。表2-1には各チームの得点、失点数を時間帯ごとにまとめた。また、表2-2では先制したとき/先制されたときの試合結果を一覧にしたのでご覧いただきたい。
状況別の勝敗では、湘南が1敗しているものの、各チームともに先制した試合では負けておらず、逆に先制を許すと勝てていない(湘南は1勝あり)。それもそのはず、先制を許した試合の失点数が全失点の7割近くを占めているから納得の結果だ。中でも、山形に至っては失点をするとほぼ勝てないというデータまで出ている。 これを解決するには先制することが一番であるが、今後1つでも勝点を積み上げるためにも、前・後半終了前15分間の失点を減らすことが先決のように思える。各チーム得点は奪えているだけに、この時間帯の失点数が全失点の大部分(湘南70%、松本54%、山形45%)を占めるのは、勝点を失うことと同様にチームの勢いを悪くしてしまう失点といえる。次の試合、そして最終的な勝点に繋がるゲームにするためにも今一度気を引き締めたい終了間際の15分間となりそう。