「スマホ持ったらNHK受信料払え」の野望への布石か エース局員たちが次々退職の衝撃
「社会部が重要ポストから遠ざけられている」
それでも、背に腹は代えられず。ジリ貧から脱する活路は、ネットに求めざるを得ないというのだ。 表向き、NHKは「スマートフォンやパソコンを所有しているだけで受信料負担を求めることはありません」(広報局)と言うのだが、ここまでの経緯を見ればうのみにするわけにはいかないだろう。 そして、その“悲願”ともいうべき「スマホ強制徴収」に向けてひた走っているように映るNHKの内部では“異常事態”が起きていた。 全国紙文化部デスクが説明する。 「NHKでは昨年、当時報道局社会部に所属していた30代記者が、友人や同僚と、あるいは一人で私的に飲食した代金を、取材経費として不正請求していた事案が発覚しました。この件で12月には、現職を含む3人の歴代社会部長や前報道局長など、計9人が懲戒処分を受けました。当の記者は懲戒免職、不正請求は7年間で410件、789万円に上り、すでに全額が弁済されています」 日々の報道を支える社会部に激震が走ったのは言うまでもないのだが、 「これまでの不祥事でも、歴代の社会部長にさかのぼって処分という判断は聞いたことがありません」 とは、NHK局内の事情に通じる関係者である。 「ちょうどネット配信の必須業務化の議論が大詰めを迎えていた時期で、この問題はまんまと局内の“政争の具”に利用されてしまいました。というのも社会部は日頃、上層部から疎ましく思われており、弱体化させるための格好の材料となってしまったのです」 実際に、 「処分された部長の後任には、警視庁や調査報道を担当してきたゴリゴリの社会部本流ではなく、リスク管理に秀でた人物が据えられました。改正放送法を成立させるには、時の政権をいたずらに刺激する報道は慎み従順な姿勢を示さねばならず、政権にとって何かと不都合な話題を取り上げる社会部を抑え込む必要がある。そうした上層部の“判断”がはっきり見て取れます。これまで、経営陣の耳が痛くなることを口にするのは社会部上がりの人が多かったため、現在は人事など重要ポストからは遠ざけられているのです」(同)