福島県選出の引退2議員に聞く
■吉野正芳氏 現場主義徹底的に貫く ―8期24年にわたって本県のために汗を流し続けた。振り返っての思いを。 「初当選以来、全身全霊を傾けて郷土の発展や国政の進展のために努めてきた。コスタリカ方式や選挙区変更など、ある意味特異な国会議員生活を送り、得難い経験ができた。議員バッジを着け続けているからこそ地元の役に立てるとの思いで、その判断は間違っていなかったと思っている。私の処遇を真剣に考えてくれた党本部役員の方々に感謝している」 ―復興相在任中に、復興庁設置期間の10年延長など中長期的政策に道筋を付けた。 「被災地出身の大臣として現場主義を徹底的に貫いた。被災地を自分の目で確かめ、被災者の声をじかに聞き、顔をじかに拝見し、今必要とされている施策は何か、従来の施策は効果を発揮しているかを現場で肌で感じるよう努めた。特に在任中に心のケアを重視すべき方針が明確化され、国内全域に避難していた被災者と懇談を重ねた」
―議員生活の中で印象深いエピソードは。 「復興相就任当時の復興庁は、宮内庁と人事院を除く全ての省庁出身の職員で支えられていた。職員とコミュニケーションを取りながら被災地の現状や思いを少しでも理解してもらいたいとの思いで、250人を超える職員全員と大臣室で毎日8人ずつ交代でカレーライスを食べたことが印象に残っている」 ―福島の復興は道半ばだが、本県の国会議員にどのような思いを託したいか。 「震災と原発事故の被害や被災者への思いなどの風化と風評被害を食い止めなければならない。風化が一番進んでいるのは霞が関だ。被災地出身であることを常に意識し、地元の皆さんの共感を得られる施策を推進してほしい」