【解説】小林製薬「紅麹」新たに170件の死亡相談を国に報告せず「極めて遺憾」厚労相が怒るワケ
■厚労省の発表までの経緯
まず小林製薬は、腎疾患などと診断されるケースのみを、国に報告していて、亡くなった方は5人とこれまでしていました。6月14日、他に調査中の事例がありますと、小林製薬が厚生労働省に一報したんですね。 国としてはそれを受け取って、「え、そうなの?」と報告を求めたということになります。27日になって小林製薬側が詳しい報告を国にしました。そうしたら調査対象を広げたので、因果関係も調査しなきゃいけないものが、たくさんありますよと。亡くなった方に関する相談この170事例が上がってきたという流れになります。厚生労働省は、28日これを発表しなきゃいけないだろうということで発表しました。 (中谷キャスター) この今月14日に他に調査中の事例があると一報を受けたと。これはどこからの一報かはまだわかっていない? (横須賀解説委員) おそらくこの文脈の流れで見ると、国が小林製薬から一報を受けたと。突然調査中ですよと言われたものと、はっきり書いてないんですけど、そういう趣旨なんだろうなと。その調査について、どういう調査を具体的にやるのかということを、国が報告ちゃんとしてくださいよってことだと思います。 具体的にはどういうことなのか、この被害情報のあるロットがあります。青カビが生成する一種、プベルル酸が、腎疾患などを引き起こすんじゃないかということが動物実験などでわかっているんです。 このプベルル酸以外にも化合物が2つ発見されています。これはまだ毒性を評価中という段階なので、人体にどのぐらい影響があるかが、現時点で分かっていないということなんです。 小林製薬としては、腎疾患などであるか否かに焦点を当てていたことが、必ずしも実態を正確に把握するものではなかったと。実はこの化合物とY、Z、これずいぶん前にもうわかってたんですよ。だからきちんとどういう調査を行うかも含めて小林製薬は会見でもっと前に明らかにすることができたということは言えます。 危機管理の点でちょっと小林製薬は最初からつまずいてるんですけれども、 やっぱりこちらが大事だと思います。