「どん底まで落ちた」泣きながら体を売った10日間――ホストから強要された地獄の海外売春 #ydocs
“避妊具、シャワーなし”地獄ホテル生活
エージェントとのLINEのやりとりでは「サービス60分で3万円バック、『内容』ディープキス、避妊具あり性行為」と、60分間いわゆるソープのサービスで3万円の報酬、そして“避妊具有り”での性行為という話のはずでした。 仕事場はマカオのリゾートホテル。 「夕方6時にホテルに入って、朝の5時まで1時間に1回のショーに出ました。アジア系の韓国、日本、タイ、中国、あとエジプトだったり70人くらいの女性の中で私は日本国旗のマークをつけて、花魁風のパンツがみえるぐらいの衣装を着て、それを見ている客から指名されて部屋に行きます」 しかしマットとベッドがある部屋に行ってみると、あるはずの避妊具はありませんでした。 「その後、待機場所へと戻ると、そこにシャワーはありません。私はトイレに行って30分くらい洗い続けました」 1日に4、5人相手をして、この生活を続けること10日弱。稼いだはずのお金は自分の手元には来ませんでした。 「ホストに行ったんだと思います」と彼女は言いますが、どこに行ったのかはいまだわからないまま。 彼女は私たちの前でこの日一番辛い顔を見せて当時のことを振り返りました。 「自分の部屋に戻っても疲れているのに寝られない…、だから泣きながら働いていました」 1日2回の食事もでてきたのは豚足とご飯。精神的にも辛い中で口に合わない食事は食べられませんでした。
「どん底まで落ちた。人生返して」帰国後…
マカオでの客は暴力的な人が多かったと語る彼女。時には首を絞められたといいます。 「がっつり絞められてやばいと思いました」 店からは危ない状況になったら鳴らすボタンの存在を知らされていましたが、言葉も通じない中でそれがどこにあるのか、どうやって鳴らすのかは把握できていなかったといいます。 彼女は危険をなんとかくぐり抜けたといいますが、首を絞められてから外に出るのも怖くなり、早期の帰国を決断することとなりました。 「悪質ホスト問題」に詳しい青少年を守る父母の連絡協議会の玄秀盛代表によると、ホストとエージェントは女性から金を生むため巧妙につながっているといいます。また円安により海外出稼ぎでの上がり(収入)が良くなっている状況も、海外出稼ぎに行く女性を増やす状況にあると指摘します。 彼女は帰ってきてからも国内のソープで働き、AV出演の寸前まで追い込まれました。 「人生どん底まで落ちた」 今の状況を振り返り彼女はそう口にしました。私たちを前に彼女が吐露してくれたこの出来事は、安易な気持ちでホストに行ってからわずか1、2年。 彼女は最後、私たちに振り絞るように言いました。 「人生を壊された。人生を返して欲しい」 「めざまし8」が追い続け、その後国会でも議論されることとなった「“悪質ホスト”問題」。 なぜ女性たちはホストに通うため体を売るのか?そして、売掛金廃止の動きの中、ホスト側の本音は? 日本特有の社会問題を日本一深く取材したフジテレビの番組が「令和の日本の夜」の実態を描き出します。 ※この記事はフジテレビと Yahoo!ニュース ドキュメンタリーの共同連携企画です。 Yahoo!ニュース ドキュメンタリーが企画を採択し、パートナーが制作・編集しています。 #Yahoo ニュースドキュメンタリー #めざまし8 #フジテレビドキュメンタリー (取材・文/めざまし8取材班)
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