「高市早苗首相」誕生が現実味を帯びる選挙後 “石破降ろし”に手ぐすね引く旧安倍派・裏金議員たち
■負けたらすぐに始まる「石破降ろし」 想像以上に厳しい状況の自民党。頼みの維新、国民民主党に“フラれる”と、政権維持すら難しいことになる。いずれにしても、気になるのは「石破首相の進退」だ。 「本来は、この『政治とカネ』の問題で逆風に耐えている石破さんを擁護する声が党内から出てもよいはずです。しかし、石破さんが人気を得ていたのは“党内野党”という存在で、安倍晋三元首相にも正論をぶつけていたから。国民からすると、その石破さんが今度は“嘘つき自民党の先頭”になってしまったとみられている。先の支援金2000万円報道の反響もそうですが、選挙の顔に選んだ石破首相が選挙に負けると党内から責任論は出るでしょう。それでも交代論になるかは不明です。石破首相自身が退陣を表明すれば別ですが、選んだ自分たちの責任もあり総理を下すのも一苦労です。火中の栗を拾うものをすんなり決める時間の猶予もありません。今後の仕事ぶりで支持率が回復できるか、しばらく様子見になるのでしょう。 と話す。選挙で負けても石破首相が首相のイスに座り続けるためには、党内で多数派工作ができればいいということか。 とはいえ、すでに始まっているとも報じられる「石破降ろし」。この点について、有馬氏はこう説明する。 「自公が過半数を割った場合、石破首相をはじめ森山裕幹事長、小泉進次郎選対委員長も責任問題を問われかねません。選挙前の石破首相の非情な決断に恨みを持った人たちが、高市早苗氏やネオリーダーのもとに結集し、石破首相を引きずり降ろすチャンスを伺うことになるでしょう。党内分裂などという報道もありますが、今はそんなことを考えられる余裕がある議員は少ない。これまでの選挙では余裕を見せていた大物政治家からも『今回ばかりは(自分も)負けるかもしれない』という声をよく聞きます。それぐらい逆風が吹いています」
■現実味を増す政権交代 では、「次の首相」の候補は誰になるのだろうか。 有馬氏は“野党連立政権”の現実味を指摘したうえで、こう話す。 「当面は、石破首相で政権運営を行っていく方針のようです。首班指名で野田佳彦立憲民主党代表が野党統一代表として石破氏の票を上回れば、こちらが総理大臣ということになります。万が一石破総理が多数を獲れなければ自民党総裁でしかなくなりますが、次期総裁の大本命は、高市氏でしょうか。先の総裁選でも石破氏と決選で争い、総裁選後に総務会長を打診されましたが固辞して無役の立場です。三番目に得票が多かった小泉氏は現在選対委員長で石破総理とは一蓮托生です。自民党は、無役で距離を置いていた高市氏を『初の女性首相へ』と打ち上げて政権奪還に邁進するでしょう。高市氏も虎視眈々と次を狙っているのではないでしょうか」 石破首相は、ようやく手に入れた首相の座から早くも転げ落ちようとしている。 (AERA dot.編集部・小山歩)
小山歩