国宝や重文 名品99件 茨城県立歴史館50年 特別展、5日開幕
開館から50年の節目を迎えた茨城県立歴史館(同県水戸市緑町)で、同館の重要所蔵品や過去に公開した茨城県ゆかりの名品を集めた特別展が5日、開幕する。展示品は「考古」「美術工芸」「民俗」などの分野から国宝・重文を含む99件で構成。同県行方市(旧玉造町)の古墳から出土した冠や一橋家伝来の馬具など、半世紀を彩った史料を一堂に並べている。 同館は、元知事の岩上二郎氏(1913~89年)が主導する形で、収集史料の保存と活用を目的に1974年に設立。当初から文書館と博物館の二つの機能を備え、全国的に注目を集めた。 現在は、茨城県に関する史料が集積する総合施設として、古文書や行政資料から、歴史、美術工芸、考古などの史料を含めた56万点以上を収蔵。公開や展示を通じて歴史と文化財の魅力を発信し、これまでに約390万人が入館した。 特別展は「開館50周年記念特別展 名品ゾクゾク-歴史館の半世紀-」と題し、「考古」「歴史」「美術工芸」「民俗」「一橋家関連」の5分野を柱に、国宝・重文を含む名品99件を紹介する。 「歴史」では古代に作られた日本最大の刀「直刀」(国宝、鹿島神宮蔵)、「考古」では同県行方市の三昧塚(さんまいづか)古墳から出土した「金銅製馬形飾付冠(こんどうせいうまがたかざりつきかんむり)」(国重文)、「民俗」では水戸藩の蝦夷地探検で収集されたアイヌ衣装、「一橋家関連」では蒔絵(まきえ)を施した馬具「黒漆雷文地沢瀉(くろうるしらいもんじおもだか)に葵紋蒔絵鞍(あおいもんまきえくら)」(国重文)などが見どころとなる。 同館で4日、関係者約150人が出席して記念式典が開かれ、小野寺俊館長が「培ってきた歴史的財産を受け継ぎ、新しい発想で磨きをかけていきたい」と決意を表明、テープカットに続き、展示を内覧した。 会期は11月24日まで。同館(電)029(225)4425。
茨城新聞社