奄美空港でF15離着陸訓練 徳之島、LCAC上陸作戦を公開 キーン・ソード25
自衛隊と米軍による統合共同演習「キーン・ソード25」は27日、鹿児島県奄美市笠利町の奄美空港で、航空自衛隊戦闘機による離着陸訓練が始まった。徳之島町花徳海岸では26、27の両日、日米のエアクッション型揚陸艇LCAC(エルキャック)による着上陸作戦があり、訓練の一部が報道公開された。 午後3時すぎ、那覇基地からF15戦闘機4機が飛来し、滑走路に着陸後すぐに離陸する「タッチ・アンド・ゴー」を実施した。 戦闘機による連続離着陸訓練は、航空自衛隊の基地が使用できない事態を想定し、戦闘機を民間空港へ一時的に退避させて機動分散運用を図ることを目的としている。奄美空港での実施は2023年11月の自衛隊統合演習に続き2回目。 空港送迎デッキには訓練を一目見ようと多くの住民らが集まった。瀬戸内町の小学生(7)は「音が大きかった。でも、かっこよくて乗ってみたいと思った」と笑顔を見せた。 一方、共同演習に反対する市民団体の姿も。「奄美の自然と平和を守る郡民会議」の城村典文事務局長(72)は「〝島の入り口〟で軍事訓練が日常化することに危惧の念を抱く。進む要塞化に悔しさでいっぱい」と訴えた。 九州防衛局によると、奄美空港には同日、C130輸送機1機が奄美空港へ飛来し米軍の高機動ロケット砲システム「ハイマース」も到着。陸自奄美駐屯地へ運ばれた。
徳之島での報道公開は26日夜と27日朝に実施。26日午後8時ごろ、暗闇に覆われた徳之島町花徳海岸に、航海灯のみをともした海自LCACがごう音を響かせ上陸。陸自の中距離多目的誘導弾発射車両や隊員を降ろした。 27日午前6時半ごろには沖合約5キロを航行する海上自衛隊の輸送艦「くにさき」を発艦した海自LCACが上陸。続いて米海軍LCACが到着し、陸自水陸機動団の隊員や車両を米軍艇へ乗せ「くにさき」へ運ぶなど、日米相互運用能力向上を図る訓練が行われた。 28日は奄美空港で戦闘機連続離着陸訓練、徳之島町総合運動公園で衛生訓練などが計画されている。徳之島での主な訓練は29日まで行われ、隊員らは順次、定期船などで撤収予定。