浅草・仲見世の屋根を宇都宮のカナメが全面改修へ 独自工法で美しさと実用性兼ね備える
金属屋根製造・施工のカナメ(宇都宮市平出工業団地、吉原正博(よしはらまさひろ)社長)は1日から、インバウンド(訪日客)などの観光名所になっている東京・浅草の仲見世の屋根の全面改修を始めた。同社が持つ独自工法を活用し、美しさと実用性を兼ね備えた新しい屋根を来年3月末までに完成させる。 仲見世は全長約250メートルの参道の両側に土産物店や飲食店が並ぶ。東京大空襲で一部焼失後、補修され現在に至るが、老朽化が進み一部店舗では雨漏りが起きていた。屋根の修復に加え強風などに対する安全性も高めるため、全面的に葺(ふ)き替えすることになった。 同社は2017年までに、浅草寺の宝蔵門や本堂、五重塔の屋根を耐候性の高いチタン瓦に葺き替えてきた。仲見世は浅草寺の付属施設のため、同社が改修に当たることになった。 今回葺き替え工事が行われるのは13棟の屋根で、総面積は2138平方メートル。神社仏閣で使用され、直線の美しさと滑らかな曲線が特徴の「銅板カナメ一文字葺き」を採用する。銅板のつなぎ目をS字にかみ合わせて雨水の浸入を防ぐ「特殊はぜ構造」も導入する。 同社は「大勢の方が訪れる施設なので、安全で100年先まで耐えられる屋根を提供したい」としている。