「死刑執行を停止し、情報公開を」 裁判員経験者が法務省に要望
市民が刑事裁判に参加する裁判員制度の開始から21日で15年を迎えるのに合わせ、裁判員経験者22人が20日、死刑執行の停止を求める要請書を法務省に提出した。裁判員裁判ではこれまで46人に死刑が宣告され、3人が執行されている。 【写真】死刑執行の停止や情報公開などを求める要請書を法務省に提出した、裁判員経験者の田口真義さん(左から2人目)ら=2024年5月20日、法務省、遠藤隆史撮影 要請書は、死刑について十分な情報公開がないまま、裁判員裁判で死刑判決に国民が関わっていると指摘。「国民に死刑の判断を求めるなら実情はつぶさに公開されるべきだ」として、直ちに刑の執行を停止した上で情報公開を進め、死刑に関する国民的な議論を喚起するよう求めた。 経験者有志は、同様の要請書を制度開始5年の2014年にも出したが、この10年間で動きがないため再び要請したという。 裁判員として死刑判決に関わった60代の女性は会見で「死刑執行のニュースを見ると、自分が関わった死刑囚かとどきどきする。死刑囚の日常や考えていることなどをもっと知りたい」と話した。(遠藤隆史)
朝日新聞社