松本幸四郎「役に対する意識が変わりました」 叔父・吉右衛門さんの教えを忘れず 舞台に挑む
歌舞伎俳優の松本幸四郎さん(51)が1日、初日を迎えた歌舞伎座『秀山祭九月大歌舞伎』に8年ぶりの演目で出演。叔父・吉右衛門さんとの思い出を明かしました。 【画像】松本幸四郎 かなわなかった叔父・中村吉右衛門との稽古 三回忌で思い語る 幸四郎さんは、叔父の二世中村吉右衛門さんが長年にわたり情熱を傾けてきた、初世中村吉右衛門の功績を顕彰し、その芸と精神を継承していくことを目的とする『秀山祭』で、『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』で空海を勤めます。 幸四郎さんは「8年ぶりの再演です。今回は初演を踏まえてさらに練り上げ、選ばれし者である空海の魅力がより強調されて描かれています」と話しました。
そして、夜の部では『勧進帳』で、武蔵坊弁慶を勤める幸四郎さんは、「叔父(二世吉右衛門さん)は“80歳で弁慶を勤めたい”とずっと話しておられました。ご存命なら80になる本年、『秀山祭』で『勧進帳』が上演されることは、意味のあることだと思います。私が初役で弁慶を勤めた時、叔父に“相手の言葉を真正面で受けて打ち返す、受け役だから”と言われて、役に対する意識が変わりました。教えていただいたことをきっちりやっていきながら、叔父の弁慶を強く思って勤めさせていただきます」と公演前、取材で語っていました。