不安や葛藤も…それでも「能登に生きる」 能登半島地震から1年
ホランキャスター 「元気な声が聞こえるとどうですか?」 餅つき参加者 「元気が出ます。もう望まないから災害のない穏やかな年で..」 会場で、カメラを持ったこの男性。 笑顔ですが、1年前にこの輪島で被災した一人です。 ■輪島朝市が焼け野原に 自宅とカメラ焼失したカメラマンの今 壊滅的な被害を受けた"輪島市朝市通り"の大規模火災。 たった一晩で約300棟が燃え、別世界となってしまいました。 蕨野敬さん(47) 「この何にもない状況は、生まれて初めての感じ。こんなに広かったのかっていう」 創業76年の写真館4代目の蕨野敬(わらびの・けい)さん。 朝市にあった3階建ての自宅兼フォトスタジオを大規模火災で失いました。 蕨野さん 「焼け野原って感じでしたね。この世のものとは思えないような感じ」 自宅も仕事道具のカメラも一瞬で失いましたが、この輪島を離れようとはしませんでした。 地震から1か月半、昔の上司が「必要だろう」と貸してくれた2つのカメラで、再び撮影を始めました。 蕨野さん 「久しぶりにカメラを持って緊張しながら撮った」 蕨野さん、ある場所に連れて行ってくれました。 蕨野さん 「春になると桜が満開になって並木になる場所で、入学式とかによく撮影をしていたので、すごく思い出の場所」 これは、地震からわずか3か月後の写真です。 この場所で撮った、高校生と家族の1枚はすべて"笑顔"が印象的。 蕨野さん 「“人の笑顔”を撮るって一番いい」 進学のために輪島を離れる子どもとの思い出の写真。 震災前に生まれた赤ちゃんの「100日祝い」も。 被災地にあっても、輪島の人たちの"笑顔"を撮ることに蕨野さんはこだわってきました。 蕨野さん 「被災地は撮ろうと思わない。笑顔のある人を撮っていければいい。“笑顔”っていいもんですよね。元気をもらえるような気がします」 ホランキャスター 「蕨野さんとのコミュニケーションであったり、思わず“笑顔”になる空気にしているんだろうなって」
蕨野さん 「そうなっていれば、うれしい」 今年も、輪島で「笑顔」を撮り続けると決めた蕨野さん。 ホランキャスター 「大人も子どもも楽しそうですね」 蕨野さん 「“人が笑っている姿”とかを見るのが好き」 ホランキャスター 「どんな笑顔を撮りたい?」 蕨野さん 「ギャハハな笑顔」 ホランキャスター 「やっぱり大きな笑顔がいいですよね」 蕨野さん 「笑顔が大きければ幸せそう。見ている人も、その場にいる人も。そういう気持ちに僕も一日でも長く毎日続けばいいなと」
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