【高校ラグビー】常翔学園 歴代3位の通算101勝目も井本主将父超えへ「まだ通過点」
◇全国高校ラグビー大会2回戦 常翔学園81ー14高知中央(2024年12月30日 花園ラグビー場) 濃紺のジャージーが緑の芝生を縦横無尽に駆けた。計13トライを奪う猛攻撃。起爆剤は、常翔学園を束ねるNo・8井本章介主将だ。前半6分、相手のタックルをはじき飛ばし、右中間へ飛び込む。「味方がいなかったのでもう当たるしかない」。身長1メートル78、102キロの体格をフルに生かすと、同25分にはモールを押し込み、右中間にダイブした。 「まだ通過点やと思っているので、きょう出た課題をしっかり次につなげられるようにやっていきたいなと思います」 父を超える――。そんな決意を胸に秘める。OBの父・和樹さん(46)はSOとして活躍した第76回大会で4強入りを果たした。父の影響を受けて、ラグビーを始めたのは年長の頃。この日はスタンドで父が見守る中で2トライと躍動し、「同じジャージーを着ているので超えていきたい」と偉大な背中を必死に追いかける。 昨大会は花園出場を逃し、8大会続いた連続出場が途絶えた。昨年11月に指導体制が一新され、OBの白木繁之監督(36)が就任。「基本ができてないと戦術も何も始まらない。当たり勝つ、走り勝つ、押し勝つ、これを重点的にやってきた」。基礎から見つめ直し、指揮官として花園初勝利をつかんだ。 歴代3位の通算101勝目で満足するわけにはいかない。元日の3回戦はBシードの天理と激突する。今年10月の練習試合では大敗した、難敵が相手だ。井本は「みんな悔しい思いを持ってるのでしっかりやり返せたら」と雪辱を誓った。(山手 あかり)