【グローバルフォーカス】日本、弾劾政局で韓国外交政策「反日急変」の可能性を注視(2)
◆野党6党の1次弾劾案内容に敏感に反応 当初、日本政府は来年の韓日国交正常化60周年と大阪万博をきっかけに両国首脳の訪問を実現させようという構想だった。これを通じて韓日関係を一段階アップグレードする方向で両国の協議を進めてきたという。しかし韓国政治が突然不安定になり、こうした構想が水の泡となる可能性が高まった。 日本現地では、今後の韓国政府の対日外交基調がまた「反日」に向かうかもしれないという日本メディアの懸念が杞憂として終わらないという見方も出ている。日本側は4日に野党6党が共同発議した1次弾劾案に盛り込んだ弾劾事由を懸念の目で見ている。野党6党は尹錫悦政権の価値外交追求、北朝鮮・中国・ロシア敵対視、日本中心の奇異な外交政策と日本に傾倒した人物の起用により韓国が北東アジアで孤立し、戦争の危機がもたらされたと主張した。米国と日本の政策当局者が聞けば驚く内容だ。 こうした内容が弾劾事由なら、今後、野党が執権した場合、韓国政府がどんな外交を進めるかを類推できる。価値外交をやめて北朝鮮・中国・ロシアに近づき、日本とは距離を置いて知日派を政府から追い出すということではないのか。堅固な韓米同盟と友好的な韓日関係を軸に韓米日の連携は円滑であり、韓国が孤立しているという主張も事実とは異なる。韓日関係改善と韓米日の連携のため戦争危機という主張は誰か見ても歪曲だ。 野党も1次弾劾案のこうした文言に無理があると認識したのか、2次弾劾案ではすべて削除した。しかし日本では1次弾劾案に入った外交分野の文言が野党の外交安保観をそのまま表すものと考える雰囲気がある。 ◆同盟と友邦に外交の一貫性を見せるべき 過去に盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が主張した「北東アジア均衡者外交論」は失敗が繰り返し検証された政策だ。2015年9月に当時の朴槿恵(パク・クネ)大統領が中国の戦勝節記念式に出席し、ロシアなど独裁国家の指導者と肩を並べたことで米国と日本の怒りを招いた時にもう一度検証された。文在寅(ムン・ジェイン)政権の朝米仲裁外交が2019年2月にハノイで失敗して改めて検証された。 現在の韓半島情勢は外交の失敗を繰り返した政策をまた検証する暇はない。米中、米ロの対立は激化していて、朝ロは事実上の軍事同盟を結んだ。米国では同盟と多国間外交よりも一方的な国益追求を優先視するトランプ政権2期目が始まる。価値観と利害関係を共有する韓国・日本が軸となり、韓米日の連携を媒介に北東アジアの安定を積極的に追求しなければいけない状況だ。 均衡外交は良い響きで聞こえるかもしれないが、国際社会の葛藤が深まる局面で均衡者を自負すれば全体に捨てられる「コウモリ外交」に転落しかねない。節制された反応の裏で日本指導者が懸念している部分は実際、韓国の対日外交路線転換の可能性だ。韓国の内政不安定が高まる現局面で同盟と友邦の懸念を払拭しなければいけない。外交的一貫性を向上させる努力がいつよりも必要とみられる。 チャン・ブスン/関西外国語大教授 ◇外部執筆者のコラムは中央日報の編集方針と異なる場合があります。