《ブラジル》死んでも一緒、仲良く旅立つ=70年連れ添った夫婦が数時間差で
サンパウロ州内陸部の閑静な田舎町モトゥカで、70年連れ添った高齢の夫婦が数時間差で亡くなった。88歳の妻ルルデス・ゴウヴェア・フィゲイレードさんは7日に亡くなり、それを追うように92歳の夫アルシール・フィゲイレードさんが8日未明に息を引き取った。親族は夫婦を同時に見送ることにし、葬儀は8日に行われ、遺体は市立墓地に一緒に埋葬された。このおしどり夫婦の愛の物語は甥によってSNSで共有され、見る者に大きな感動を与えたと9日付G1サイトなどが報じた。 甥のウンベルトさんは「シロン(アルシールさんの愛称)とルルデスの夫妻は、真実の愛が存在し、それは時に私たちが知らないような形で現れることを信じさせてくれた…そして神が現れ、お告げを与えた。ルルデス叔母さんの旅立ちがそう遠くないことを私たちは知っていた。最近大腿骨を骨折してから健康状態が悪化し、天に召されるのは時間の問題だった」とフェイスブックに投稿した。 ウンベルトさんにとって「シロン叔父さんは父の兄で、母の妹であるルルデス叔母さんと結婚していました。二人の兄弟が二人の姉妹と結婚したことは、当時まったく一般的なことではありません」と説明する。 ウンベルトさんによれば、ルルデスさんの死がそう遠くないことを家族は皆知っていた。「叔母の病気は叔父を悲しませた。叔父は、最愛の人が医者に通い、入院し…という日常を送っているのを見ることに苦痛を感じていた。叔母が近年記憶を失っていることも叔父を不幸にした」と甥は言う。 彼は「誰も口には出さなかったが、シロン叔父さんが最愛の人を失って大きな苦しみを味わうであろうことは誰もが知っていた。彼女が亡くなり、それから24時間も経たないうちに彼も息を引き取った。その事実を誰かが疑うかもしれないが、私には最初から明白だ。それは神が創造した純粋な作品だった。神は、このように深く感動的な愛を、死をもって自然で確実なものにしたのだ」と付け加えた。 ルルデスさんの遺体が葬儀屋によって準備されている間に、夫が亡くなったため、家族は夫婦の遺体を一緒に見送ることにした。夫婦の告別式は8日の午後から始まり、同日に同市の市立墓地に埋葬された。 ウンベルトさんは「告別式で並んだ二つの棺桶は、彼らが家のソファで一緒にテレビを見たり、ベランダの椅子に並んで座って日向ぼっこしたり、2人が寄り添う多くの瞬間を思い起こさせた」と振り返った。 「あなたたちは私に愛を信じる力を強め、『神は存在し、私たちを公平に見守っている』という確信を与えてくれた。もし二人にそれぞれ、どのように旅立ちたいかと尋ねたら、間違いなく両者とも『2人一緒に』と答えただろうし、神はそれを叶えてくださったのだ」と結んだ。