「シャオミSU7」が衝撃デビュー。家電メーカーが作ったEVがいきなりテスラ/ポルシェを超えた!?
アップルが断念する中、開発宣言からわずか3年余で発売に
中国最大のスマホ/家電メーカー「Xiaomi(シャオミ)」がついに初めてのEVとなる「Xiaomi SU7」の発売を開始した。テスラモデル3とポルシェタイカンをベンチマークに名指しして開発されたSU7は、この2車の性能を多くの点で上回りながら、ベースグレードでおよそ453万円という驚きの低価格を実現。3月27日の受注開始からわずか27分で5万台を超える受注を獲得している。 【写真】「シャオミ SU7」をもっと詳しく見る スマホを始めとしたスマート家電で日本でもお馴染みのシャオミが、EV市場参入を宣言したのは2020年12月のこと。それからわずか3年余で実車発売にこぎ着けたスピード感には驚くしかない。すでに2023年12月28日には、実車および採用された新技術を公開しているので実質的には3年でEV1台をゼロから開発したことになる。 SU7は中国市場ではプレミアムセグメントに属するミディアムセダン。ボディサイズは全長4997×全幅1963×全高1455mm、ホイールベースは3000mm。ベンチマークであると名指しされたテスラモデル3と同じセグメントになる。今回販売が開始されたのは、基本グレードとなる後輪駆動で400Vアーキテクチャーを採用する「SU7」とその上級版となる「SU7 PRO」。そしてポルシェタイカンをベンチマークとする全輪駆動で800Vアーキテクチャーを採用する「SU7 MAX」だ。
テスラモデル3の評価ポイントはほぼ超えたと自信
搭載されるのは自社開発のいわゆる3-in-1モーター。SU7には「HyperEngine V6」、SU7 PROには「HyperEngine V6s」が搭載される。V6は最高出力299ps(220kW)/400Nm、V6sは374ps(275kW)/500Nmというスペック。どちらも最高回転数はトップクラスの2万1000rpmを実現している。 さらにSU7 MAXはデュアルモーター化され、システム総出力は673ps(495kW)/838Nmまで向上。0→100km/h加速2.78秒、最高速265km/hに達する。さらに2025年にはさらなる高性能モーターとして、最高回転数2万7200rpm、578ps(495kW)/635Nmを実現する「Hyper Engine V8s」も追加されるという。 テスラの最速車であるモデルSプラッドやタイカンターボを凌ぐ高性能を発生し、SU7 MAXの上に位置するハイパフォーマンスグレードとして追加される見込みだ。またモーター最高回転数を3万5000rpmまで高めた最高峰の次世代モーターの開発も急がれている。 搭載されるLFPバッテリー(CATL麒麟バッテリーセル使用)の容量はSU7が73.6kWh、SU7 PROが94.3kWh。どちらも486Vアーキテクチャーを採用しており、前車の航続距離はCLTCモードで700km、後車は830kmだ。SU7はわずか5分間の急速充電で138km相当の走行距離を回復、15分ならば350km相当の充電が可能だと発表された。 パフォーマンスモデルのSU7 MAXには871Vアーキテクチャーが採用され、バッテリー容量は101kWhに増量、航続距離はCLTCモードで810kmと発表されている。こちらは5分の急速充電で220km、15分で510km相当の走行距離を回復可能だ。