増田明美さんの細かすぎる“見どころ”解説 【第39回東日本女子駅伝】 いい選手が勢ぞろい
福島テレビ
多くの人に支えられた“東日本女子駅伝”。東日本18都道県の女性ランナーたちが、秋の福島路を駆け抜けるこの大会は2024年11月10日に、いよいよファイナルを迎える。最後の大会も「細かすぎる解説」でおなじみスポーツジャーナリストの増田明美さんが、解説で彩りを添えてくれる。今大会は群雄割拠。どこのチームが優勝してもおかしくない大混戦が予想されている。 <最強3姉妹がエントリー 群馬県> まずは群馬県チームを深掘りする。記憶に新しいのは、36回大会で群馬県チームが逆転優勝した際の立役者・不破聖衣来選手(拓殖大4年)。 【増田さんの視点】 “大和撫子”といった奥ゆかしくて上品だが、走ると別人。私は「リニアモーターカー」と言っているのですが、頭の位置が一緒で体がブレない。スイスイと走る推進力につながっていく美しいフォームです。 姉の亜莉珠さんみたいになりたいと陸上を始めた選手です。 今回は長女・亜莉珠選手、三女・珠衣琉選手と初めて3姉妹揃ってのエントリーとなった。ほかにも、2024年先10月の実業団対抗駅伝=プリンセス駅伝で10人抜きを果たした小林香菜選手(大塚製薬)など、楽しみな選手が集う。 <特に実業団の2人は強力 埼玉県> 一方、中学生から実業団までスキがないのが埼玉県チーム。38回大会では2区で11人抜きの快走を見せた山田桃愛選手(しまむら)に、福島県郡山市出身で世界陸上代表経験もある山ノ内みなみ選手(しまむら)は特に注目だ。 【増田さんの視点】 山ノ内さんは、昔からトレイルランとかもやっていて、たくましい。市民ランナーから実業団に入るという、いろいろな苦労をしてきた選手です。彼女がいたら埼玉県チームは盤石です。 <世代トップクラスが集う 宮城県> 実業団不在ながら、世代トップクラスが集う宮城チームも侮れない。増田さんは、陸上の名門・名城大学米澤奈々香選手(名城大3年)を取材してきたという。 【増田さんの視点】 米澤さんは、中学校の時からチャンピオンで高校でもチャンピオンで、やはり走りがシャープでした。本当にセンスのいい走りをしていました。38回大会では1区で区間賞でしたから、今回はどこを走るのか楽しみです。 そして全国高校駅伝・表彰台常連の仙台育英から5人がエントリーしている。38回大会で4区・区間賞の男乕選手など、全国屈指の高校生が揃う。 宮城が優勝すれば26大会ぶり、埼玉なら18大会ぶりの優勝となる <3連覇を狙う 東京都> 38回大会で3区の区間記録を27大会ぶりに塗り替えた鈴木美海選手(筑波大1年)が今年もエントリーしている。この区間新が強くなるきっかけになったそうで、2024年はU20世界選手権にも出場している。 【増田さんの視点】 東京もいいんです。先ほど話を聞いてきたら序盤から逃げる感じとのこと。駅伝は先手必勝と言いますけど、顔ぶれ揃っていますし楽しみですよ。 このほか東京には、2024年にはじめて実業団日本一を決めるクイーンズ駅伝への出場権を掴み取った好調・ベアーズから3人がエントリーしていて、3連覇へのカギを握っている。 <悲願の初優勝へ 地元・福島県> この大会でも好走歴のある実業団・大学生に加え、学法石川高校メンバーがエントリーしている。特に湯田和未選手(学法石川高校2年)は、2024年10月に行われた国民スポーツ大会(=かつての国体)で6位入賞を果たし勢いは十分。初めての県代表となる中学生にも注目だ。 <群雄割拠のラストレース> このほかにも、上位常連で安定した実業団選手が揃った千葉県チーム。2023年に中学1年生で全国大会を制した選手もいる北海道チーム。実力ある高校生が揃う長野県チーム。そして38回大会ではじめて入賞し、一気に力をつけてきた岩手県チームも上位をうかがう。 【増田さんの視点】 今回は最後まで分からない顔ぶれで、いい選手が揃いました。 この大会から、世界へ羽ばたいた選手がこれまでもたくさんました。2024年のパリオリンピック・マラソンで6位入賞した鈴木優花さんだって、秋田県の大曲高校時代からここを走っています。今大会でもダイヤの原石が見つかるかもしれません。 第39回東日本女子駅伝は、2024年11月10日に福島県福島市の誠電社WINDYスタジアムをスタート・ゴールに開催される。
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