メジャーリーガーは、マー君とダルをどう比較しているのか
田中のスプリットとダルのスライダー
マー君とダルビッシュという日本の誇る2大エース。彼らは、メジャーリーガーの目には、どう映り、どう比較しているのだろうか。直近の、登板では明暗を分けた。ヤンキースの田中将大投手は27日のエンゼルスでは2失点したものの降板後にチームが逆転して勝ち負けがつかず、楽天時代からの連勝は「31」で止まらなかった。一方のレンジャーズのダルビッシュ有は、翌28日に相性の悪いアステチックス相手にメジャーでは自身最短となる3回3分の1で、4失点KOとなった。 田中からレフトへ特大の本塁打を放ったレッドソックスのマイク・ナポリに印象を聞くと、「スプリットがやはり、鋭い。あれが彼のマネーピッチ(三振を取れる球。決め球)だろう」と話した。 「あの球は、例えば、分かっていたとしても打てる球ではない。見逃せばボールなのかもしれないけど、ストライクゾーンから落ちてくるから、見極めが難しい」 そのナポリはレンジャーズ時代、ダルビッシュ有とバッテリーを組んだこともある。ダルビッシュの1年目のことだ。 彼に2人を比較してもらうと、「田中については、まだ1回しか顔を合わせていないから」と言いつつも、共通点と相違点を挙げてくれた。 「まず共通点だが、二人とも球種が多く、どんな球でもストライクを取れる点で似ている。ボールが先行し、こっちのバッターが真っすぐを待っているカウントなのに、変化球でストライクを取れるのは、彼らの強みだと思う」 それはすなわち、両投手とも制球に自信を持っている、ということなのだろうが、違いに関しては、こう分析した。 「田中のマネーピッチがスプリットなら、ダルビッシュはスライダーだ。ダルビッシュはあまり、スプリットを投げたがらなかった。しかしスライダーには絶対的な自信があったようで、スライダーを軸に配球を組み立てた」 昨年、ナポリは打者としてもダルビッシュと対戦したが、その時も印象は変わらなかったそうである。 「受けていても、鋭いと感じるスライダーだったが、打席から見ると、もっと厄介だった(笑)」 制球力、ストレートの威力、スピードはどうかと聞けば、それぞれをこう評価している。 「制球力は、デビューして1ヶ月で比較するなら、田中の方が上だろう。ダルビッシュは、最初、まったく制球が不安定だったから」 田中は、先のエンゼルス戦では、初めて制球に苦しんだが、5試合で、35回2/3を投げて、6四死球。一方のダルビッシュのメジャーデビュー年の結果を調べると、最初の4試合で、26イニングを投げ、15四球を与えている。