第2次石破内閣が発足、30年ぶり少数与党…首相「できるだけ多くの党の理解を得て謙虚に取り組む」
自民、公明両党の連立による第2次石破内閣が11日夜、皇居での首相親任式と閣僚認証式を経て発足した。自公両党は衆院で過半数に達しておらず、石破首相は30年ぶりの少数与党内閣で厳しい政権運営を余儀なくされる。首相は同日の衆参両院本会議で第103代首相に選出されたが、衆院の首相指名選挙は決選投票にもつれ込んだ。
首相は組閣後、首相官邸で記者会見に臨み、今後の政権運営について「自公の連携を基盤としつつ、できるだけ多くの党の理解を得て謙虚に取り組んでいく」と述べた。その上で、外交・安全保障や治安・防災、日本の活力回復などを政権の優先課題として打ち出した。米国のトランプ次期大統領との早期の直接会談実現や持論の防災庁設置、国民民主党が主張する「103万円の壁」にも言及した。
衆院の首相指名選挙で、首相は1回目の投票で221票と投票総数の過半数(233票)を獲得できず、立憲民主党の野田代表との決選投票となった。決選投票での首相の得票は変わらなかったが、日本維新の会や国民民主などの他の野党議員の大半が首相にも野田氏にも投票せず、首相の得票が野田氏を上回った。決選投票での無効票は84票だった。
決選投票は自民、社会、新党さきがけ政権が誕生した1994年以来。自民の森山幹事長は、国会内で記者団に「(最終的に)選んでいただけたことは大変ありがたい」と述べた。
組閣では、10月の衆院選で落選した牧原法相(53)の後任に自民の鈴木馨祐・元外務副大臣(47)、同じく落選した小里農相(66)の後任に同党の江藤拓・元農相(64)を充てた。公明代表に就任した斉藤国土交通相(72)の後任には、同党の中野洋昌衆院議員(46)を起用した。第1次内閣発足から間もないことから、3人以外の閣僚は再任された。副大臣・政務官人事は13日に行う予定だ。
少数与党の下で、政府が法案や予算案を成立させるには、国民民主など野党の協力を得ることが欠かせない。首相は11日午前、国民民主の玉木代表と国会内で会談し、年収103万円を超えると所得税が課される「103万円の壁」の見直しなどの要望を受けた。