投票迫る米大統領選 日本株・為替への影響は? 「日本の与野党の政策協議にも注目」との見方も
5日に投開票が行われるアメリカ大統領選挙。トランプ氏とハリス氏が激戦を繰り広げているが、大統領選の結果は日本の株・為替にどのような影響を与えるのだろうか。 【動くグラフ】米大統領選挙2024 ハリスVSトランプ 支持率の推移
■激戦州で競り合い続く 最終盤まで読めない情勢
今回の大統領選は最終盤まで共和党・トランプ氏と民主党・ハリス氏の間で大激戦が続いている。政治情報サイト「リアル・クリア・ポリティクス」によると、勝敗のカギを握る7つの激戦州で、各種世論調査の支持率の平均はトランプ氏が48.5%、ハリス氏が47.7%となっている。(日本時間4日午後5時時点) 選挙戦の「ラストサンデー」となった3日はトランプ氏が東部ペンシルベニア州や南部ジョージア州など、ハリス氏が中西部ミシガン州と、それぞれ重視する激戦州で集会を開き、支持を訴えた。 こうした中、大統領選の結果は日本株や為替にどのような影響を与えるのだろうか?
■今後の相場を見極める3つのポイント 「トランプ・トレード」は起きているのか?
今後の市場の動きを見るにあたっては、3つのポイントがある。
1:「トランプ・トレード」がどの程度進んでいるか
為替を見ると、10月に入ってからの1か月あまりでおよそ10円ほど円安が進んだ。4日午後5時の時点では1ドル=152円台で推移している。 市場の一部では、大統領選でトランプ氏が追い上げた時期と同時期にこの動きが起きたことから、トランプ氏勝利を織り込んだ「トランプ・トレード」が進んだのではないかとの見方もある。 ある市場関係者は「長期金利が上昇傾向にあるので、債券市場はトランプ勝利による財政出動を見込んでいるのではないか」と語る。しかしこの関係者は同時に「トランプ・トレードは、言われているほどの規模ではないと思う」との見方も示している。トランプ氏勝利の見方が円安の進行を後押しした、その織り込みは一定程度に留まっているのではないかとの見方だ。トランプ氏勝利を織り込んだトランプ・トレードがどの程度進んでいるのかが、選挙後の相場の動きの程度にも影響してくる。
2:両氏の経済政策
トランプ氏とハリス氏が掲げる経済政策を見ると、程度の違いはあれど、財政支出等によって財政赤字を拡大させ、インフレ要因となり得るとみられている。 ただ、ハリス氏の経済政策の方向性が「おおむねバイデン政権の方向性を維持」とみられているのに対し、トランプ氏の掲げる減税(「トランプ減税」の延長・恒久化)による消費喚起、関税引き上げによる輸入物価の上昇、移民抑制による労働力抑制はいずれもインフレを招くリスクがあると懸念されている。 複数の市場関係者が、短期的な市場の反応は、トランプ氏勝利の場合の方がよりドル高・円安方向に作用する可能性があるとみている。