県内最年少・8歳で『防災士』の資格を取得した少年 その思いに密着【高知】
RKC高知放送
来年1月17日、阪神・淡路大震災が発生して30年になります。この震災を契機に民間の防災力向上のため創設されたのが「防災士」の資格です。高知県内最年少となる8歳で防災士の資格をとった男の子が高知市にいます。その思いに密着しました。 高知市旭小学校3年の松木理くん。11月に認証登録され、県内最年少の8歳で防災士になりました。 防災士は1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災を契機に民間の防災力向上につなげようと2003年度に始まった民間資格で、東京のNPО法人日本防災士機構が認めた講座を受け、試験に合格し救急救命講習を受講することで取得できます。 防災士を取得した人は11月末時点、全国で30万人あまりと広がりを見せていて、県内では6596人。9歳以下の防災士は全国にわずか21人で、県内で8歳は最年少です。 理くんは、高知市総合あんしんセンターで開かれた全8回の講座を受講。1人でランドセルを背負ったまま通ったそうです。周りの受講生は大人ばかり。理くんにとっては難しい漢字や用語も多く、母の亜美さんに教えてもらいながらレポートなど多くの課題もこなしました。 大事な所は、赤と青で印をつけていきました。くじけそうな時もありましたが、防災士になりたいという一心で頑張りました。 そして届いた合格通知。 どうして、防災士になろうと思ったのでしょうか。 理くんが保育園児だった頃、母の亜美さんが地震や津波の危険性を学んでもらおうと東日本大震災の映像を見せたそうです。 ■母 亜美さん 「まだ保育園の子どもにそういう映像を見せるのはどうなのかと思ったが、小学校に上がると学童や習い事とか、一人で行動する時間がこれからどんどん増えていくと思うので、静止画とか本よりかは映像で見せて、危ないよと知ってほしかった。」 ■松木理くん 「津波が怖いと思ったが、地震が起こるまで待ってたらいけないと思っていたから、小学生に上がって、非常持ち出し袋の確認や日ごろからできる備えは無いかなと自分で考えたりして。その時に母が防災士があるというのをインターネットでみて、やりたいと思って」 小学校にあがると防災のことをもっと考えるようになった理くん。見せてくれたのは夏休みに作成した自由研究です。 1年生の時にはインターネットを使ってハザードマップや津波避難ビルなどのマークを調べました。 3年生の時には地震の揺れから身を守るため家具の固定を研究し、両親にも提案したそうです。 自宅のテレビもしっかりと固定されていました。 最近は、外出先での避難場所や避難経路の確認を心がけるようになりました。 地震が発生したときに避難しようと家族で決めている自宅近くの公園を案内してくれました。 日々、防災の視点で物事を考える小学3年生。防災士になったからこそ伝えたい熱い思いがありました。 阪神・淡路大震災を契機に作られた防災士。30年前の震災でがれきの下敷きになった人を救出したのは、多くが近隣住民でした。理くんは将来、防災士として自分を守ることだけではなく、周りの人を助けられるよう成長したいと意気込んでいます。