映えなくても大好評 車中泊女子YouTuberが明かすバイク旅の“リアル”に共感が集まった理由とは
バイク旅や車中泊動画で人気の「こつぶちゃんねる」が長距離バイク旅のリアルに迫った動画をYouTubeに投稿し、多くの共感を集めている。絶景や美味しい食べ物に注目が集まるツーリング動画の”リアル"とは一体どういうものなのか。こつぶちゃんねるの動画から、バイク旅のリアルと魅力に迫ってみたい。 【写真】こつぶのリアルなバイク旅の様子「激しく共感」 「こつぶちゃんねる」は、HONDA CBR250RRやモンキー50cc、モンキー88ccでのバイク旅をはじめ、ハイエースでの車中泊旅で人気を集めているチャンネル。年間300日以上を旅しているこつぶが送る、バイクやバイク旅の魅力と映像美は幅広い視聴者から支持を集めており、チャンネル登録者数は40.7万人を記録(2024年12月1日時点)。バイクジャンルのなかでも人気クリエイターのひとりとして知られている。 絶景や絶品グルメを求めて長距離を移動するバイク旅。季節や疾走感を味わえる点もまた魅力で、YouTubeでは人気ジャンルに数えられており、多くのヒットコンテンツが生まれている。しかし、動画を制作しているクリエイター自身は実際どう思っているのか。11月27日にこつぶちゃんねるに投稿された動画では、そんなバイク旅の”リアル”についてこつぶが自ら迫っている。 この動画は、石川県羽咋市から新潟県新潟市に向けて北上する様子を写したもの。雲が広がっていた富山県では途中、雨に降られ雨宿り。雨雲が目視できるなか、カッパを着用せずに新湊大橋からの景色をたのしむこつぶの姿がある。昼休憩終了時点の滑川市で時刻はすでに午後2時を回っており、新潟市まで残り242キロもあることから、ここからは高速道路を利用して移動することに。途中、日本海沿いの絶景を眺めつつ、休憩を挟みながら高速を走行するこつぶだが、「休憩を楽しむためのツーリング」だと話す。1時間半後の休憩ではだんだんと日が落ち、急に気温が下がったため防寒着をプラス。「ツーリングって過酷だな。走って、コーヒー、トイレ。何のためにこんなに走るのだろうか」と、苦笑いするシーンも見られる。 この日、目的地の新潟市に着いたのはあたりが真っ暗になった頃。今回の動画について、「バイク旅の映えないところをすべて詰め合わせました」と述べ、「8割こんな感じ」「こんなもんよ、バイク旅って」と、長距離バイク旅の“リアル”を語ると、ようやく夕食にありついたのだった。 基本的に普段視聴者に届けられる動画は、いい場面を切り取ったいわばダイジェスト動画。今回の動画にも絶景をはじめ、ローカルの回転寿司などバイク旅の魅力も含まれているが、高速を駆け抜け、パーキングエリアでの休憩ルーティンという映えない様子もしっかり採用されている。しかし視聴者からは、「現実ツーリング、激しく共感」「走って、コーヒー、トイレ・・・まさにそう」など、共感のコメントが多くみられ、バイク愛好家の視聴者からすれば、もはやこのルーティーンは“あるある”なことがわかる。 旅動画はどうしてもご当地グルメや絶景に目を奪われがちだが、車以上に気候や環境の影響をダイレクトに受けるバイク旅は、移動も撮影も過酷に感じられる。しかしながら、その辛さを乗り越え、目的地に到着した際の達成感は視聴者にもしっかりと届いている模様。「それがまた楽しい」「スポーツを見てるような感動がある」といった声も多数寄せられており、バイク旅動画は過酷さもまた魅力として捉えられているようなのだ。 こつぶが「映えない」と表現したリアルなバイク旅だが、蓋を開けてみると、意外にも視聴者が求めているのは絶景やグルメだけではなかったことが読み取れる。こつぶのバイク旅動画が支持を集めているのは、「過酷さへの共感」という、これまでにない新たな魅力が要因といえるだろう。
せきぐちゆみ