やっぱり君が必要なんだ……! レッドブルF1、かつて“クビ”にしたアルボン獲得に動き出す。ペレスの後任候補筆頭か
レッドブルがウイリアムズのアレクサンダー・アルボン獲得に向けて動き出しており、アルボンに対して優先交渉権取得のオプションを提示していることがmotorsport.comの調べで分かった。 【ギャラリー】ビザ・キャッシュアップRB、2024年マシンVCARB 01を公開 ウイリアムズで活躍するアルボンについてはここ数週間、セルジオ・ペレスの後任としてレッドブルに加入するのではないか、あるいはルイス・ハミルトンが2025年からフェラーリへ移籍することで空席となるメルセデスのシートを獲得するのではないか、といった憶測が飛び交っている。 レッドブルがアルボンに対して2025年からの複数年契約を提示したという憶測的な報道は正確ではないと考えられているものの、motorsport.comはチームがアルボンに対して優先交渉権を獲得しようとしているという情報を得た。 仮にアルボンが同意した場合、レッドブルはウイリアムズとの現契約が切れた後の2026年から3年間、アルボンを獲得可能な選択肢を手にすることになる。 アルボンは2019年にトロロッソ(現ビザ・キャッシュアップRB)でF1デビューを遂げてから半年で、ピエール・ガスリー(現アルピーヌ)と入れ替わる形でレッドブルへ昇格した。ただ、翌2020年もチームメイトのマックス・フェルスタッペンと肩を並べることができずにその年限りでF1シートを失った。 しかしアルボンは2022年にウイリアムズからF1復帰を果たして以降、戦闘力に劣るマシンで度々ポイントを持ち帰る走りが高く評価されている。アルボンにとっては今回のレッドブル側の提示を受け入れることで、表彰台や優勝も狙えるトップチームへと返り咲くことができるチャンスとなる。 ただ現状、ハミルトンの衝撃的なフェラーリ移籍に端を発した”椅子取りゲーム”で、アルボンの選択次第では自身の可能性を狭めてしまうことにも繋がりかねない。 ウイリアムズの2024年マシン“FW46”のカラーリング発表会に登壇したアルボンは、自身の将来について話はあったかと尋ねられると次のように答えた。 「そのことについて質問や軽い会話が無かったかと言えば、そうじゃない。でも正直なところ、これは個人的なことではなく、僕のマネジメントの問題なんだ。僕はドライビングに集中している」 「僕の立ち位置は、このFW46がどのように発展していくのかを見るのがとても楽しみだということだ。バーレーンやその後の4~6レースでマシンの感触を得て、チームとしての進歩を実感したい」 「僕はウイリアムズに全力を注いでいるし、そこが自分の居場所だと思っている。僕にとっては進歩の速度も非常に重要だから、時間が経てば分かることだよ」 アルボンはさらに次のように続けた。 「僕は自分のピークに近づいていると感じている。常に改善すべき点はあるし、まだ改善すべき領域はある。でも総じて、今の僕の経験と現状を鑑みると、表彰台を獲得したり優勝を争えたりするマシンに相応しいと考えている。自分自身をどう見ているかという点で正直になるとそう思うんだ」 「何よりも、その(表彰台や優勝を争う)チームがウイリアムズであってほしい。そこに僕の仕事と努力の全てを注いでいる」 「特にドライバー市場を見てみると、チームが2025年から2026年にかけて同じドライバーを欲しがっていることは明らかだ。そう見えるね。どうなるか見てみよう」 アルボンがそう語るのは、F1が2026年に大きなレギュレーション変更を控えているからだ。次世代マシンの開発に向けて、チームは安定感のあるドライバーラインアップを求めており、2025年から2026年をまたぐ複数年契約を結ぶドライバーや、そこへ向けて有力なドライバーを獲得しようと模索するチームがいる。 ウイリアムズでチーム代表を務めるジェームス・ボウルズは、アルボンが2025年までチームと契約を結んでいることを認めたが、仮に来年へ向けてアルボンにオファーが来た場合は跳ね返すのかと尋ねられ、次のように答えた。 「もしそのような決断を下すことがあっても、それは短期的なことではない。チームの長期的な目標のために正しい決断を下したということが、自分の中ではっきりしているからね」 また、2025年までチームと契約を結んでいることで、他チームへ移る可能性が閉ざされているのかと尋ねられたアルボンは次のように答えた。 「どうなるか見てみよう。時が経てば分かるはずだ。でも僕は2024年に集中しているんだ」 「本当の焦点は、2025年に向けて確実に前進することにある。それが僕の本当の立場だよ」 「現実的に、僕はチームと一緒にいたい。チームが僕の望むような状態になれば、長期的な契約になるだろう。僕たちが共に最後まで戦い抜くか、そうじゃないかだ」
Christian Nimmervoll
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