Bloomberg

（ブルームバーグ）： 巨大ＩＴ（情報技術）企業の決算報告が相次いだ１週間を経て、見えてきたことがある。各社の利益の伸びが鈍化する中、投資家はもはや人工知能（ＡＩ）の将来性に感銘を受けなくなり、結果を求めているということだ。

超大型テック７社で構成する「マグニフィセント・セブン」のうち、６社が決算報告を終えている。４－６月期利益の前年同期比成長率は30％程度と、１－３月期の50％から減速した。アナリストらは、これら企業の増益率が７－９月期にさらに鈍化し、約17％になると予想している。

先週発表されたマイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、アマゾン・ドット・コム、アップルの業績は、各社がＡＩへの多額投資を継続していることを示している。だが、マイクロソフトとアマゾンの株価は、こうしたＡＩ投資が少なくとも現時点では利益を生んでいないのではないかとの懸念から決算発表後に下落した。その１週間前、グーグルの親会社アルファベットの株価も同様に下落した。

50パーク・インベストメンツの創業者、アダム・サーハン最高経営責任者（ＣＥＯ）は「投資家はＡＩが収益と生産性に与える影響の具体的な証拠を求める段階に入り、これが懐疑的な見方や不安定な動きにつながっている」と指摘した。

電気自動車（ＥＶ）メーカー、テスラの７月24日の決算も投資家を落胆させた。半導体大手エヌビディアは、今月末に決算を発表予定だ。

投資家はすでに、信頼性の高い大型株から、より小規模でリスクの高い銘柄へとシフトし、大手テック企業からのリスク分散を図っていた。こうした決算内容と、米金融当局者からの９月利下げの可能性の示唆、そして予想を下回る米雇用統計が相まって、テック関連銘柄の比重が高いナスダック100指数は２日、７月の最高値からの下げ率が11％に達し、調整局面に入った。投資家がＡＩ関連株から手を引き、債券買いに走ったため、米国債の利回りは低下した。