〝青〟がポイント、窪田正孝演じる理科教師の胸熱青春科学 事情抱える生徒に声かけ学会発表目指す NHK総合「宙わたる教室」
【TV視てますか?】 NHK総合のドラマ10「宙(そら)わたる教室」は、大学院で地球惑星科学を専攻し、助教をしていたミステリー作家、伊与原新が実話を元に書いた胸熱の青春科学小説が原作だ。 6月期の連ドラ「ブルーモーメント」は日の出前と日の入り後の大気が濃い青色に染まる時間を題名にしていたが、「宙わたる教室」も〝青〟がポイント。主人公は東京・新宿の定時制高校にやってきた謎めいた理科教師(窪田正孝)。年齢も、抱える事情も異なる生徒たちに声をかけて、科学部を結成し、教室に「火星のクレーター」を再現する実験で学会発表を目指す。その第1話が「夜八時の青空教室」だった。 窪田は読み書きが苦手な生徒(小林虎之介)に「努力不足ではなく学習障害」と話し、逆に憤慨される。英語教師(田中哲司)から、小林に「WHY IS THE SKYBLUE?」と問われて答えられなかったというエピソードを聞いた窪田は、授業で実験を行い、教室に「ささやかな青空」を作って見せる。読み通り、小林が科学部の部員第1号となる。 第3話「オポチュニティの轍」は詩情あふれる好編だった。起立性調節障害を抱え、保健室登校を続ける(「新宿野戦病院」の)伊東蒼が、保健室の連絡ノートに記したメモに窪田が気付き、<「星を継ぐもの」は傑作ですね。「火星の人」も面白かった。映画版は観ましたか?>と書き込む(筆者注:「星を継ぐもの」はハードSFの名作、「火星の人」の映画版はマット・デイモン主演「オデッセイ」)。興味を持った伊東が、おずおずと部員第3号となる。窪田は<火星の夕焼けは青い>ことを実験で示し、伊東が「この子」と呼ぶNASAの火星探査車オポチュニティの感動話を聞かせる。 第4話は部員第4号となるイッセー尾形の「一人芝居」!! 原作本は今年の青少年読書感想文全国コンクールの課題図書(高等学校の部)。ちなみに、筆者が小学生の時の課題図書は人類最初の宇宙飛行士、ガガーリンが書いた「地球は青かった」だった。 (新橋のネクタイ巻き)