「守れなかったら試合に出せないからね」巨人・阿部監督が浅野翔吾を密着指導 7種の投球練習で送球改革
巨人の阿部慎之助監督(45)が5日、浅野翔吾外野手(19)に青空送球レッスンを開講した。G球場の秋季練習でスローイングの正確性アップに向けてサイドスロー、アンダースローなどさまざまな練習法を伝授。「守れなかったら試合に出せないからね」と外野のレギュラー取りのポイントに守備力向上も挙げ、久保巡回投手コーチの投手目線の意見も導入。7種類の変幻自在の投げ方を試しながら感覚を研ぎ澄ました。 フリー打撃中、阿部監督が送球講座を開いた。G球場の右翼の定位置で打球を追って守備練習していた浅野のもとに歩み寄ると、身ぶり手ぶりコツを指導。その場から右翼フェンスへの壁当てを課した。「遊びだよね」と上投げ、横投げに続いて下投げも指示。サブマリン投法も試させた。 もちろん、ただの遊びではない。「浅野はアンダースローの方がこのへん(右腕)が柔らかく使えているから」。高卒2年目の今季、終盤に1軍でスタメンに定着した19歳。肩は強いが、返球の正確性などに伸びしろがある。普段とは視点を変えることで、新たな発見を得ることが狙いだ。 長年、巨人の正捕手を務めた阿部監督も意外にも若い頃は送球に課題を抱えていた。試行錯誤して確固たるスローイング技術を身につけた。「守れなかったら試合に出せないからね」と守備力は重要ポイント。現役時の経験をもとに浅野に歩み寄った。指先の感覚を養う方法として、天然芝の上であおむけで膝を立てて、空に向かって真上に投げる練習もトライさせた。 これだけではない。練習中に久保巡回投手コーチと意見交換。菅野ら多くの投手の活躍を支えた名伯楽の考えに耳を傾けた。「久保さんと話して、いろんな話を聞いて。野手のスローイングでも、ピッチャーのプログラムをやらせるのもいいかもって話をして」と共感した。 浅野には、投手陣が取り組む、ヤジロベエのように大きく体重移動してから投げる練習、左腕を高く上げて上から投げ下ろす練習、足元にたたきつけて投げる練習も試させた。上、横、下、あおむけと合わせて計7種類。「遊びで感覚をつかませることも大事」と変幻自在の投げ方でヒントを与えた。浅野も「横から投げた時に(指がボールにかかって)バチッと使う感覚があった。このオフでいろいろ試して一番いい投げ方を見つけたい」と感謝。今後も模索を継続していく。 内野手の中山にも送球を熱血指導。ブルペンでは左腕の山田にカットボールについて助言した。捕手を務めて実際に捕球し、捕手目線で意見を伝えると、マウンドから投球練習もして自らさまざまな握りを試しながら研究した。若手主体の秋季練習。送球、投球に重点を置いた一日で濃密な時間を過ごした。(片岡 優帆) ◆G阿部監督の主な熱血指導 ▽9月14日 吉川に対してヤクルト戦(東京D)の試合前練習で身ぶりを交えながら約10分間の熱血指導。下半身の体重移動について助言を授け、最終盤の好調につなげた。 ▽9月28日 4年ぶりのセ・リーグ制覇を果たした広島戦(マツダ)の試合前練習で浅野に注目し、バットを持って身ぶり手ぶり助言。足の上げ方や構えを微妙に変えながら、さまざまな打ち方を伝授した。 ▽10月31日 来季の先発ローテを狙う西舘に対してマンツーマンで投球フォームを指導。体重移動や踏み出す左足の使い方などについて助言した。
報知新聞社