「通じる」か「希少動物」か「携帯基地局」中断要請 有識者懸念続出どうなる知床・環境へ影響は
STVニュース北海道
北海道・知床半島の先端に整備される携帯電話の基地局について有識者会議が開かれ、自然環境への影響が懸念されるとして、国に対し工事の着工見合わせを要請しました。 (有識者)「生物に関してどの程度調査がされたのかは非常に不安」 (有識者)「本当にこれが必要なのかを再考する必要があると思っています」 7日に開かれた知床半島の保全に関する会議。 携帯電話の基地局の整備について、有識者から懸念の声が相次ぎました。 2022年の観光船沈没事故をうけ、知床半島の先端では携帯電話の基地局の整備が予定されています。 電源確保のため、知床岬付近に太陽光パネルなどが設置される計画です。 しかし、地元の斜里町などから、世界自然遺産としての景観が損なわれるほか、天然記念物のオジロワシなどへの影響を指摘する声が相次いでいます。 (斜里町の山岳ガイド)「基地局を作ることはいいと思いますが、今回の件に関しては大きいソーラーパネルやケーブルを2キロ引く、土を掘り返すというが、違うやり方があるのではないかと思う」
有識者らも7日の会議で国に対して工事の着工見合わせを要請しました。 (北海道大学 中村太士教授)「現在の工事は中断して、もう一度調査をして地元でも必要性も含めて議論してほしい」 一方、斜里町に隣接する羅臼町は、基地局は漁業者の安全確保のために必要だとして、自然環境に配慮した形で整備を進めてほしいとの意向を示しています。 鈴木知事はー (鈴木知事)「環境保全に最大限配慮しつつ取り組んでほしいということは斜里も羅臼も同じ。そこは最大限配慮していただきたい」 要請をうけ、国は事業者に対し、工事の着工見合わせとともに、希少動物への影響を調査するよう求める方針を示しましたが、工事の先行きは見通せない状況です。