今夜「中秋の名月」「満月」はあす 実は一致しないことが多い「中秋の名月」と「満月」
■一年で最も美しい月 「中秋の名月」とは旧暦8月15日に出る月のことで、今年は、きょう9月17日の月が、それに当たり、単に「十五夜」、あるいは「三五の月」という呼び名もあります。(掛け算で三・五=十五だから) 【写真を見る】今年2024年9月17日の「中秋の名月」 また、一年で最も美しい月と考えられていて、「月々に月見る月は多けれど月見る月はこの月の月」と詠まれているほど。 ■「お月見」始まりは収穫への感謝 その昔、農民たちは月の満ち欠けで時の流れを計り、季節の変化を感じ取っていました。そんな農民たちにとって、秋は収穫の時期。その収穫を感謝する風習として、ススキを飾り、収穫物をお供えするお月見が始まったと言われています。 特に、「中秋の名月」は、サトイモやサツマイモの収穫時期に当たることから、「芋名月」とも呼ばれ、サトイモなどを供える風習もあります。 ■「中秋の名月」は満月でないことの方が多い 去年2023年は、「中秋の名月」と満月の日が一致していましたが、今年2024年は「中秋の名月」がきょう9月17日、満月は翌日18日になっています。 来年以降で「中秋の名月」と満月が同じ日になるのは、2030年。 2029年までは全て「中秋の名月」より満月の方が1日遅く、2026年は2日も遅くなっています。なぜ一致しないのでしょうか。 ■十五夜が必ずしも満月ではない理由 満月のことをよく、「十五夜」と呼びますが、実は旧暦15日の夜の月は満月とは限りません。旧暦では、新月(真っ暗な月)を含む日を月の始め、月立(つきたち)と決めました。この月立が月の始めの日「ついたち」の語源となっています。 その日から15日後が、旧暦の15日になるのですが、実は、新月から満月までの日数は15日ピッタリではなく、13.9~15.6日間と時期により変化するのです。このような理由もあり、満月の瞬間を含む日は、旧暦14日~旧暦17日まで幅があります。 こうした理由から、今年の「中秋の名月」も満月ではありません。
ちょっとがっかりする人もいるかもしれませんが、心配いりません。 人間の目で見ても、1日、2日の違いなら、ほとんど満月と変わらなく、まあるく見えるはずですので。 RKB 気象予報士 龍山康朗
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