世間の関心は「岸田首相の退陣」息子が「大ハシャギ公邸忘年会」に「ご満悦写真」スクープの「その後」
今となっては、ここから岸田政権の綻びが広がり始めたのかもしれない。 ’22年12月30日、岸田文雄首相(66)の親族らによる忘年会が総理大臣公邸で開かれた。あろうことか、長男で当時首相秘書官だった翔太郎氏(32)らは、公邸内の階段で寝そべるなど大ハシャギの宴会を繰り広げていた。そのことが『週刊文春』で’23年5月下旬に報じられたが、実は、宴会には岸田首相も参加しており、集合写真に納まっていた姿を本誌は入手。’23年6月6日に配信した記事をもとに詳細を振り返る(記事中の年齢・肩書きは掲載時のものです)。 【呑気に笑っている場合か!】すごい!'22年12月30日、「首相公邸」で開かれた大忘年会で笑顔で記念撮影におさまる岸田首相 ’22年12月30日、首相公邸(千代田区)で開かれた「大忘年会」には18人の親族が勢揃いした。その中心で笑みを浮かべるのはスウェットにダウンベスト、裸足という寝間着姿の岸田文雄首相(65)だった――。 長男で首相秘書官の翔太郎氏(32)ら首相の親族が、公邸内の階段で寝そべるなど大ハシャギの宴会を繰り広げたことが『週刊文春』で報じられるや、世間は大ブーイング。だが首相は翔太郎氏に「厳重に注意した」と述べるにとどめた。野党はおろか、国内外のメディアから「身内に甘い」と叩かれても、首相は動かない。それどころか、’23年5月26日の参院予算委員会で「私も私的な居住スペースにおける食事の場に顔出しをし、あいさつもした」と、息子をかばう素振りさえ見せた。 その「違和感」の正体が、この集合写真である。「あいさつ」どころか、裕子夫人(58)や翔太郎氏らとともに、首相本人もご満悦の表情で「記念写真」に納まっていたのである。 「この日は首相の実弟で実業家の武雄氏(62)ら、岸田家4人きょうだいとその配偶者や子供が集合しての忘年会でした。外部者はシャットアウト、まさに『身内』の会だったのでしょう」(首相の知人) ’23年5月29日、首相は’23年6月1日付で翔太郎氏を交代させることを急遽表明。件(くだん)の忘年会問題が報じられた後に行われた世論調査(日経・テレ東)では、内閣支持率が前回調査より5ポイント下落した。 「菅義偉(よしひで)前首相(74)ら老獪な政敵が多い中で、心を打ち明けられる味方が首相にはいない。翔太郎氏の問題が度々取り沙汰されてもお咎めナシだったのはそのためです。今回も追及を先延ばしにしていればウヤムヤにできると考えたものの、支持率に影響が出てしまった。岸田首相が拘泥しているのは、政策ではなく支持率。’23年7月選挙も目論む中で、愛息であっても『不安要素』は取り除きたいとの結論に至った」(全国紙政治部デスク) 首相公邸の維持費は年間約1億6000万円の公費で賄われているとされる。ジャーナリストの鈴木哲夫氏は言う。 「公邸は有事の際、すぐ首相官邸に駆けつけられる距離にあり、閣議や総理会見も行われる。『ただの家』ではなく、日本の危機管理の中枢です。身内の忘年会をやるような場所では断じてない。あまつさえ、支持率に影響が出ると気づいてから翔太郎氏のクビを切るのは、遅きに失しています。翔太郎氏の自覚だけでなく、首相の危機管理能力の問題でもあります」 公邸での忘年会について、岸田事務所に質したところ、次のような回答だった。 「ご質問の件につきましては、すでに国会やぶら下がり取材などで説明しているとおりです」 息子のクビを切って終わり、では国民は納得しない。自身の責任が問われる。 ◆今や世間の関心は「岸田首相の退陣」と「そのタイミング」のみ 岸田首相は’23年5月29日、記者団の質問に応じ、 「けじめをつけるため交代させた」 と語ったが、’23年6月2日の会見では、自身の責任について、 「公邸の中には私的なスペースと迎賓機能を持つ公的なスペースがあり、私的なスペースで親族と同席したものだ。公的なスペースで不適切な行為はないと思う」 と述べ、問題はないとした。しかし、今、政界を揺るがしている“大事件”に関しては、そういう呑気なことは言ってられないようだ。 岸田政権を支える“権力の中枢”ともいえる自民党最大派閥『清和政策研究会』通称“安倍派”の幹部を含めた大半の議員が次々と裏金としてキックバックを受けていた疑惑で、政権が大きく揺らいでいる。 ’23年12月8日~11日に『時事通信』が実施した世論調査では、岸田内閣の支持率は17.1%で2割を下回った。これは、政権を維持できる数字ではない。岸田首相は’23年12月13日の会見で、 「政治の信頼回復に向け自民党の体質を一新すべく先頭に立って戦う」 と力説してみせたが、岸田派(宏池政策研究会)でも、直近5年間で数千万円のパーティー収入が派閥の政治資金収支報告書に記載されていない疑いが出ている。今後、東京地検特捜部の捜査が進めば、岸田首相本人に対する任意の事情聴取が行われる可能性も捨てきれない。 「もはや岸田政権は死に体と言っても過言ではないでしょう。与野党だけでなく、世間の関心は今や、岸田首相はいつ退陣するのか。では、その後に誰が首相を務めるのか。いずれにしても、今の自民党政権を立て直すのは至難の業です」(全国紙政治記者) ’24年の日本の政治に現状、期待できるものは何もない。
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