天平時代の天女や大正モガが登場? 奈良大生の美の研究発表
なんばウォークで時代スタイルショーを展開
天平時代の天女や大正モガが登場? 奈良大生の美の研究発表 撮影:岡村雅之 編集:柳曽文隆 THEPAGE大阪
天平時代の天女や大正モダンガールなど、多様な時代の美女に扮した奈良大学(奈良市)の学生たちが15日、大阪・ミナミのなんばウォークで時代スタイルショーを展開し、往時の衣装や化粧方法などを通じて、日本人と美の関わりに関する研究成果を発表した。 人形の町「まっちゃまち」9月いっぱいまでは花火一色 バラ売りで人気
天平美人は最先端の唐文化を意識していた?
この時代スタイルショーは、日本人の美の価値観の変遷を、全学科共同で研究する学生プロジェクト「美し記~utsukushiki~」の一環。古代から現代まで、奈良大生が各時代の美を研究し、それぞれの時代の美人像を考察。縄文、古墳、奈良、大正、現代の5つの時代に分け、人々が好む化粧や髪型、衣装などを再現。ショーでは女子学生がモデル役を演じて披露した。 古墳時代の美人は埴輪の巫女(みこ)がモデル。朱色をあしらったたすきなど、衣装は学生たちが苦労しながら手作りした。奈良時代の美女は天女風。眉間の色鮮やかなワンポイント化粧やショール風の装いに、当時の先進国とされた唐のファッション文化の影響が見受けられるという。 大正時代は西洋文化が押し寄せた半面、日本文化も色濃く残っていた。洋装と和装が混在したことから、ふたりの学生が洋装美人と和装美人を演じ分けた。洋装美人は文豪谷崎潤一郎の作品に登場する女性をヒントに、新しい時代を自由に生きようとしたモダンガールを想定して創作された。
美のポーズを取れば就活を勝ち抜ける?
学生の研究発表会では、研究過程の苦労談や成果が次々と報告された。高校生が「きれい」「かわいい」「うつくしい」をどのように使い分けているかという調査に関して、「『うつくしい』が人間に対して使われることはほとんどない。一方、『かわいい』にはいろんな意味があるため、会話の中で意味がすれ違うこともある」などと、興味深い最新情報が発信された。 学生共通の課題は就活。美と心理のかかわりを実験した学生から「面接で緊張しそうなとき、事前に美のポーズを取って面接に臨むと、落ち着いて一歩前へ進む勇気を持てます」などと、就活勝利に直結しそうな成果も報告された。 奈良時代の天女風美人のモデルを担当した学生は4年生。「上品な衣装を着こなすと、びしっと気持ちが引き締まります。貴重なモデルの体験を仕事に生かしたい」と話していた。詳しくは奈良大学の公式サイトで。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)