地域活性化で実証実験

楽しく服を選ぶ山高さん親子＝多気町下出江の古民家で

　農用地の保全や地域コミュニティーの維持などに取り組む三重県多気郡多気町勢和地域の「勢和農村RMO協議会」（中西眞喜子会長）は15日午後3時半から、下出江の古民家で、「こどもふくリユースとシェアブックス」を初めて開催。訪れた人たちは品定めしながら、親子の時間を楽しんだ。 　農村RMOは農村型地域運営組織で、人口減などにより弱体化する集落機能を保全する協議会組織。同地域では2022（令和4）年度に一般社団法人ふるさと屋を事務局として活動を開始し、農地の保全や住民の生活支援、地域を活性化させるための仕組みづくりに取り組んでいる。 　今回は、取り組んでいる「うごく円居（まどい）プロジェクト」の一環で、地域で子供と子育て世代に関わり、その世代の幸福度が向上するかの実証実験を目的に開いた。開催場所と時間は、近くにある町立勢和保育園を利用する親子らの送迎時間に合わせて決めた。 　この日、リユースコーナーでは100着以上の子供服などが、サイズごとに箱に入れられて並んだ。また着られなくなった服の受け入れも行った。読み手と共に楽しむシェアブックスコーナーでは、町立勢和図書館の元館長補佐兼司書で皇學館大学司書課程非常勤講師の林千智さん（62）＝色太＝が0～5歳児向けの絵本の読み聞かせやわらべ歌を披露した。 　時間経過と共に、訪れる親子が増加し、一緒に服を選んだり、林さんの朗読を楽しんでいた。 　自営業の夫・山高勤さん（60）と一人娘の真子ちゃん（3）とで訪れた丹生のパート・真央さん（35）は「すぐに着られなくなる子供服が家にあり、譲って使ってもらいたいと考えて服を持参しました。娘が気に入る新しい服も手に入れられたのでよかった。絵本も上手な読み聞かせで、親子で有意義な時間となりました。機会があればまた来たいです」と話した。 　2回目は11月12日午前10時から、片野の「にこぱん」で開く予定。